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チート戦線、異常あり。  作者: いちてる
4章 八重崎咲と文化祭
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罰とエピローグ

日に日に更新までの期間が延びてる件について。


全裸で土下座しますので許してください。

 俺と笹見先輩の決闘を見ていた人は何も言わない。


 全員絶句している。


 いろいろ言いたいことがあるが何を言えばいいか分からない状態か。


 ただそれでも時間は進む。


 五限が始まるまであと五分だ。


「お前ら早くしないと授業に遅れるからな」


急がなくては。


繰り返しになるが学生の本分は勉強である。


「待ちなさい豚」

「何だ天谷?俺は早く授業の準備に取り掛かりたいんだがな」

「以前真子は先輩のこと気持ち悪いって言いましたけど、撤回します。気味が悪いです」

「ふうん。それで?」

「この学園から出て行ってください」

「何の権限があってお前それ言えるんだよ」


 真百合とかだったら余裕でやりそうだが。


「権限なんてありませんけど本気で気色悪いんですよ。マジで先輩人間やめてます」

「なあ天谷。お前もしかしてクラスの男子にもそんなこと言ってるのか?駄目だぞ。お前は何も思っていないかもしれないがそういうのがイジメに繋がるんだからな」


 イジメ、駄目、絶対。


「真子は男のことを家畜だと思っていましたが先輩は違います。自分が無害だと思っている鬼畜野郎です」

「だからな、理由の無い暴言はイジメに繋がるんだって」

「理由ならあります。一連の流れを見ていたら自明です」


 一連の流れ?


 そんなにいうなら振り返ってみよう。


 まずいきなりやってきた笹見先輩が訳の分からん理由で俺に挑んできた。


 その後笹見先輩はギフト攻撃してきたので四楓院先輩のギフトを利用し俺は素手でボッコボコにした。


 そして四楓院先輩に対しては完全に勝てないということを証明した。


 いったいこれのどこに否があるのだろうか。


「畜生風情が、うら若き女性を傷つけてんじゃありません」

「あー」


 そういやこいつフェミニストだったな。


 面倒だな。


 こういう奴って絶対に自分が正しいって思いこみ他人の話聞かないんだよな。


 ん?どこからかお前が言うなって聞こえた気がする。


 幻聴はよくあることなのでスル―安定だ。


「で、あまにゃんはどうする気?俺のことならいくらでも罵倒してもいいけどそれ以外を罵倒するのはちょっと教育する必要があるな」

「脅しても無駄です。真子はもう決めました。畜生道から落ちた先輩には地獄に落ちてもらいます」


 またかよ。


 しつこいよ。


 いい加減にしてほしい。


 俺はさっさと授業を受けたいのに、何で最近の高校生は青春を勉学より優先するんだ。


「なあ天谷、お前が俺を嫌っているのは勝手だしどうこう言う気はさらさらないが、それについて何かするのは止めてもらえないか?」

「それはこっちの台詞です。先輩のような存在は男抜きにしても認識するだけで吐き気を催します」

「はあ。ひっで」


 もういいや。


不本意極まりないが五限の授業は少し遅れて出席しよう。


 こういうやつは一回泣かせとかないと、大人になった時もっと酷い奴になる。


「なあ天谷」


 俺がいざ行動しようとしたその時だった。


「真子、少し落ち着くのだ」

「お姉さま?」


 ずっと黙っていた早苗が俺達の間に入ってきた。


「少しは冷静になって考えてみろ。真子は今回一樹の何が不満だったのだ」

「全部です」

「全てが嫌いというのは全てが好きなのと同義だぞ。具体的に教えてくれ」

「真子はこの男の存在が気に入らないんです」

「それで?」

「それだけです。それだけで十分なんです!お姉さまに悪影響を与えるこの男が大っ嫌いなんですよ!!」


 そういや天谷フェミニストの上にレズピアンだったな。


 俺は別に早苗のこと好きでもなんともないけれど天谷視点からすれば一緒にいる男に見えるのか。


 本当に恋愛脳は……これだから嫌なんだ。


「すまんが一樹、私に免じて真子のことを許してやってほしい」

「別に怒ってないからいいけどな、早苗が後輩をそうやって甘やかすから後輩がつけあがるんだぞ。駄目なものははっきり駄目と言っておかないと後々駄目な人間になるからな?」


 天谷が何かを言い出そうとしたが早苗は人差し指で押さえた。


「すまん。肝に銘じておく」


 うん。これで万事解決だな。


 よかったよかった。


「なんでなんですか」


 どうやら天谷は黙ることが三秒しか出来ないらしい。


「なんでお姉さま止めたんですか!?言いたいことくらい言わせてください!!」

「駄目だぞ。何しろ一樹に……いや止めておこう。これはお互いのために知らない方が良い」


 早苗が何かを言い出しそうだったがはぐらかそうとした。


「教えてあげたらいいじゃない?むしろ教えてあげるべきだと思うわ」


 しかしそれを真百合が許さない。


「天谷ちゃん。あなた今嘉神君に喧嘩売ろうとしたわね?」

「だったら何ですか?」

「止めた方が良いわ。嘉神君に喧嘩を挑んだ連中がどうなったのか知ってるかしら?」

「知りませんよ」

「でしょうね。知っていたら挑もうとしないわ。だからみんなにも教えてあげる。



まず時雨驟雨、一週間の停学。

次に仲野孝太も停学。

その後とある夫妻が死んで

気に食わなかった白仮面が殲滅。


嘉神君を潰そうとしたとある愚かな女が無限ループに閉じ込められ

趣味の悪いゲームを企画した関係者は等しく殺害。

とばっちりで白仮面も再び大打撃。


嘉神君に喧嘩を撃った不良はのちに殺され

その父親も殺され

そのついでに父親がトップをしていた浄化集会並びA3も完全崩壊。


そして今、

馬鹿みたいに決闘を挑んで意識を失うまで暴行を受け続けた水晶。

己のギフトで二度と逆らうことの出来なくなった翡翠。



 それが今嘉神君の戦歴よ。勿論喧嘩を売って無傷だった人間もいないことは無いけれど、そう言った人間は大体ろくでもない連中ばかりよ」


 そんなひどいことした記憶ない。


 あったかもしれないが記憶にございません。


 仮にあったとしてその無傷で済んだ人間は誰なのだろうか?


 ぱっと思いついたのが神薙信一である。


 あれはちょっと俺が関わりたくないと思うタイプだ。


その他は母さんも含まれるな。


 喧嘩売ってるほど飯はまずいし理不尽な行動取っているのに俺はあの人に敵わない。


…………あ、あと月夜さんもだな。


 彼女は実質元の鞘に収まっただけだ。


 月夜さんもあのキチ○イ連中と肩を並べているわけだ。


「分かる?約二分の一で死ぬの。だから私からすればあなたのやっている行動は自殺志願者の行動と全く同じだわ。止めようとは思わないけれどせめて忠告はしてあげるわね。遺書を書いておいた方が良いわ」

「そ、そんな…………」

「嘘だと思うのは天谷ちゃんの勝手だけれどそのことに関して文句を言うのやめておいた方が良いわ。特急列車に突っ込んで引かれた場合、賠償を支払うのはぶつかってきた人間の方でしょ?それと同じ。挑んだ人間の方が悪い」


 シンと静まり返る。


「そんな人間なおさら隔離するべきです!!」

「はあ。本当に愚かね。喧嘩を売らなければそれだけで無害なんだから、気に食わないのは仕方のないことかもしれないけれどそれは我慢するべきだわ。私達雑魚に文句を言う資格なんて無いんですもの」


 言うだけ言い切った真百合は


「嘉神君の言う通り早く授業を受けた方が良いわ」


 全員に俺の意見を伝え、


「「「………………」」」


その意見に反対する者は誰もいなかった。






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