宝瀬真百合 ４（視点変更あり）
再び視点変更です。
というより回想です。
最初に彼の第一印象は最悪だった。
絶対に消す。そのつもりでいた。
だから初め、コロシアイがあると聞いた時、巻き戻す前に一回自分の手で殺そうって決めた。
簡単なことだと思っていた。
私は十秒までなら時を止めれる。
止めて解除止めて解除の繰り返しで出来ないことなんて何もないと思っていた。
どうせやり直すから邪魔する奴は殺していった。
私は宝瀬の人間だからこいつらと同格じゃない。
消されても文句を言われる筋合いはない。
だから殺した。
早苗も殺した。
いくら強くても心臓と脳に同時に銃弾を打ち込めば死ぬのは当然だった。
その時、男がキレた。
当初は誰だかわからなかったが、今思うとあれは間違いなく嘉神君だった。
『世界』を止めて逃げようってしたけどなぜか彼には効かなかった。
そして、死んだ。
これが私の最大存命時間であり地獄の始まりだった。
一巡目、
別にピンチと思う気はなかった。
琥珀にでも頼んで出来るだけ長く生きて『世界』を巻き戻す気でいた。
ただ、体内に毒があると聞いた時はさすがにまずいとおもった。
不幸にも前回巻き戻った時は毒が回る五分前であった。
前回は私の様子を見てあえて毒のことを伝えなかったというのを悟った。
この時は、後輩に殺された。
二巡目、
一巡目の時を参考にすればいい。
私は毒が回る五分前まで生きればそれでいい。
戦わないで逃げ回る。
ただ、残り三十分で私の居場所を伝えるアナウンスが鳴り逃げることが出来ないことを悟った。
同級生に殺された。
三巡目、
焦り始める。
私は解毒剤を手に入れるために琥珀を殺す。
その時の光景を見られ同級生に殺された。
四巡目、
プライドを捨てることを決意する。
捨てた後やり直せばいい。
みんなに頼み込む。
同級生にＡを許す。
この時集まったのは早苗とあの男以外だった。
どうやら二年のクラスメイトに殺されたらしい。
毒ガスをばら撒かれ死ぬ。
十五巡目、
不意打ちで死ぬ。
六十八巡目、
クラスメイトに犯されて自殺。
百五十三巡目、
体を自分から売る。
琥珀に殺された。
三百七巡目、
大嫌いだった早苗に土下座して頼む。
意外に長く生きた。
後輩に撃たれて死亡。
八百六十六巡目、
生き残ったら巻き戻す気が失せる。
二年の男子と同級生に体を売る。
裏切られて死ぬ。
千五百二十五巡目、
何もしなくなる。
死因は不明。
△△△△巡目、
数えるのをやめる。
いつの間にか死んでいた。
◇◇◇◇巡目、
死ぬ。
○○○○巡目、
死ぬ。
××××巡目、
天井のシミを数える。
？？？？巡目。
神様が私の前に現れた。
その神様は最初私に罰を与えた神様で、私をこれから救ってくれるらしい。
私は言われた通り行動した。
生き残った。
泣くほど嬉しかった。
この神様になら全てを捧げてもいい。そう思った。
ただ、神様の使いが死んだ。
神様は悲しんだ。
神様は叫んだ。
神様が裁きを下した。
私がこの神様の為に出来ることは一つだった。
『世界』を巻き戻す。
でも嫌だった。
本当に嫌だった。
このまま生きて、この神様と一緒に生きて一生を過ごしたかった。
でもそれを神様は許してくれなかった。
私は言われるがままに『世界』を巻き戻した。
？？？？＋１巡目、
何もできない中、クラスメイトに襲われかけた。
私は無我夢中で神様に祈った。
願いは聞き遂げられた。
神様は私を守ってくれた。
私は神様の全てを知りたかった。
周りはどうでもよかった。
私の世界は神様と私だけ。あとはもう虫であり無視することにした。
ただその肝心の神様には私以外のものが沢山あった。
私には神様が必要だけれど、その神様は特に私を必要としなかった。
神様にとって私は、有象無象の一つでしかなかった。
仕方ないと思った。
私は私で神様は神様だから。
だからこれからは神様に気に入られるように生きていこうって思った。
その神様の名は嘉神一樹。
余談ですが宝瀬先輩を殺した数はこうなっています。
衣川早苗 ０
時雨驟雨 ０（寝ていたため）
嘉神一樹 １
自殺 １０
四楓院 ５０
天谷 約１００
他一年 約３０×５
三年 約５００×３
毒殺 約１０００
