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チート戦線、異常あり。 作者:いちてる

2章 宝瀬真百合とコロシアイ

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反辿世界 5

「おお。嘉神じゃねえか。っておい、何で十人もの女を侍らせてるんだ」

 五分くらい歩くと、時雨と合ったのだが会って早々の発言がこれである。

 それにしても一昔過去の倍になってるな。恐ろしい。

「湧井は見たか?」

 前回は一緒にいたはずだが今回は時雨一人だった。

「湧井ならさっき会ってすぐ去っていったぞ」

 さすが時雨。俺とは違い仲間の信頼が厚い。文字通り痺れるね。(電気だけに)

 正直時雨に遭えば後は容易いな。

「時雨。急いで湧井を追いかけてくれ」
「どうしてだ?」
「今の所誰一人として誰も殺していない。だからこのままゲームを強制終了させる」
「その案乗ったぁ!」

 こうして下手をしなくてもカリスマ性のある時雨が仲間になってくれた所で仲間集めは簡単に終わった。

 問題はこれからだが。





『何をしてるのですかー。みなさーん。早く殺し合いをしてくださーい』

 例のブスバスガイドが例の如く放送をならしてきた。

 前回よりずっと早い。

「えっと、このまま放置だと毒ガスが出るんだっけ?」
「そうよ。だから気をつけて」

 俺は取り敢えず、バスガイドと見ている人間数人をこっち側に連れてきた。

「こんにちは」

 大人の対応をする。

「え?ええ?ええええ?」

 慌てすぎ。

「何だね君たちは!私を誰だと思っている!衆議院議員のはぐっ」

 もういいから。

「往生際が悪いな。分からないのか?てめえらはもう詰んでんだ。大人しくリザインしろ」

 チェックメイトはかかっている。

 あとはこいつらが自分のキングを倒すだけなんだ。

「聞いていないぞ!絶対に安全だからと聞いて私は観戦していたのに!!」

 うわ………大人って大変だな。

「処刑はしない。ただし拷問というものを教えてやる」





「ふう」

 すっきりした。

 前回は人質2人だったから、今回は十人くらい用意した。

 抵抗できないように手足の骨を折ることにも抜かりない。

「お疲れ様」

 教育的指導(物理)を終えた後宝瀬先輩が、俺の労を労ってくれた。

「別そこまで疲れていませんよ。楽しかったですし」

 これは本当である。

「じゃあ先輩。また少し仮眠取りますね。見張っててくださいよ」
「了解したわ」

 俺はその場で寝ようとしたのだが

「あの……先輩。何でまた膝枕しようとしてるんですか?」
「別に減るものじゃないからいいでしょ?」

 本当に俺は普通に寝たいのだが、そんな風に言われたら断れないな。

「まあ別に良いですけど」

 そして俺は先輩の枕で寝ようとしたのだが

「また真百合かああ」

 これで何回目か分からない早苗さんの登場である。

「あら。お元気だった?」
「こんなところで、相変わらずイチャイチャしてうらや…けしからんぞ貴様ら!」
「いや早苗。逆に考えるんだ。ここで体力回復しておかないといざというときに力を発揮できないだろ」
「う……だがそれは一樹が普通に寝ればいいだけの話だ」

 そうなんだけどね。でもさっきスルーしたが早苗変なこと言っていなかったか?きっと気のせいだろう。うん。

「それに休むのなら真百合の大根足は不向きだろう」

 ゴゴゴゴゴと、何か嫌な効果音がした。

 え?波〇使うの?

「言ってはいけないことを言ったわね。早苗。取り消すなら今のうちよ」
「誰が取り消すか。もう一度言ってやる。この大根足が!」

 決して太いというわけじゃない。肉付きがいいのほうが正しいか。何せ安産型だし。

「早苗、あなたは禁句を言ったわ。生きてここから出られるとは思わないことね」
「いや、絶対に俺が出しますよ」

 こんな所いられるか。

「一樹は少し黙ってろ。これは女の戦いだぞ」
「すみませんでした」

 反射的に謝った。

「そうね。私が大根なら、早苗は腐ったニンジンじゃないかしら?中途半端に赤くて基本真っ黒」

 今度は、ドドドドドと、恐ろしい効果音。

 スタ〇ドが出るのか?

「じゃあ先輩。俺そろそろ寝ますから、戦争が終わったら起こしてください」

 俺という男が、女の戦いに入れるわけがない。だからここは大人しく逃走するのが正しいだろう。

 ヘタレだが、ヘタレとは言わないで欲しい。

 仕方ないんだ。

 だって世の中女が一番怖いんだから。




「終わってみれば運命とやらも結構大したこと無かったですね」

 一度未来を経験すればその後の行動は容易かった。

 今回バスに乗り込むとき

『30分に一度、人質入れ替えるから』

 と、嘘の情報を伝える。

 ぶっちゃけ、無理だ。

 移動している状態で移動していない物体を出現させればその物体は慣性の法則により吹き飛ばされる。

 別に人質は吹き飛ばされても構わないのだが、バスの内部に時速50㎞で70kgの物体がぶつかったら、俺たちがタダじゃ済まないだろう。

 ただ保身に走りやすいあいつらクズにこのフェイクはもってこいだった。






 学校の駐車場で俺達は全員生きて集まることに成功した。

「そうね……私の数千回って何だったのかしら」

 まあ、あれは向き不向きがある。

「それでみんな、こいつらどうする?」

 人質に用いた自称VIP共を見ながら

「殺したら……怒られそうだよね」

 そうだよな。

「取り敢えずそこら辺の川に捨ててくるということで、ファイルアンサー?」
「「「ファイナルアンサー」」」

 その通り。1000万。

「早苗、コンクリ頼む。早苗の家なら腐る程あるだろ」
「あるのはあるのだが……大丈夫なのか?」
「大丈夫だろ。この程度の人間なら五万は絶対に超えるな」

 さて、このバスガイドをどうしようか考えようか。

 こいつだけは特別扱いしないとな、悪い意味で。

「好い加減放しなさーい」

 おお。意外に凄いな。このブスバスガイドまだ心が折れていなかった。

 一巡前はすぐに心が折れたのに。

 もしかして殺されないとでも思っているのだろうか。

「そうね。ここにいる全員の靴を舐めたら許してあげるわ」

 宝瀬先輩。目、据わってますよ。

「良いんですかそんなこと言ってー。私のギフトまだ発動できるんですよー」

 この豚ゴリラ。ホルダーなのか!?

「どうやら嘉神という男の所為で、失敗したようですがー。ですが、もう十分でーす。私のギフトを再び使うのに十分な時間が過ぎましたー」

 ハッタリかと思ったがこれはさすがにまずい気がした。

「私のギフトは雲迷路デスティニーランド。指定した人間に死ぬ未来を確定させることができまーす」
「先輩!時間を巻き戻せ!」

 言いながら無理だということを悟る。

 今回は上手く行き過ぎて、前回巻き戻った時間分過ごしていない。

「宣言しまーす。ここにいる全員この場で死にまーす」

 遅かった。

雲迷路デスティニーランド 指定した人間が近いうちに勝手に死ぬギフト。その時の死因や状況は指定できない上、一度発動すると再び使うのに長い時間がかかる。このギフトは『運命』に作用する。
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