かかか神薙ぃぃぃ(視点変更有)
「おはようございます! おはなししましょ」
「……トコハさんでよかったのよね。強さに性癖を覚える神で」
「はい! 覚えてくれてうれしいです。可愛い可愛いまゆりん」
「その仇名はやめて」
「えー可愛いのに。もったいないです。そんなにかわいいんです。名前ももっと可愛くしたほうがいいですって」
「あなたのような人がキラキラネームをつけるのでしょうね」
「いいじゃないですか。可愛いんですし」
「そう。じゃあ勝手にしなさい」
「ありがとうございます。じゃあせっかくですしこの服に着替えてもらえますか?」
「服? 下着じゃなくて?」
「服ですよ。乳首と膣さえ見せなければみんな服です」
「絶対に着ないわよ」
「可愛いかがみんも来るのに?」
「少し考えるわね。とりあえず衣装はよこしなさい」
「そういう素直なところは素敵だとおもいます」
「それで、なんで私を誘拐したの?」
「さあ。メープル様にしろと言われてしたので、概要は知らないんです」
「それでいいの神様」
「仕方ないです。あんなかっこいい人に頼まれたら断れる乙女はいません」
「……あなたの基準でかっこいい人って?」
「メープル様、シンジ様、ハヤテ様」
「帝王は?」
「ホステス風のカッコよさですね。これ以上の伸びしろがないのはマイナスです」
「あえて聞かなかったけど。あれは」
「あの人は……最高にエロい人です、思い出しただけでいっちゃいそう」
「…………最高に最低ね」
「あんなにセクシーな人が悪い」
「あれより強い何かはいないと確信しているけれど、あれより頭のおかしい奴がいるとわね。この世界は私が知らない道であふれているわ」
「本音を言うとひょっとしたら会えるかもしれないって言われたので、こんなことをお手伝いしたんですよ」
「そう。でも絶対にあってくれないと思うわよ」
「それはそれで。放置プレイって素敵じゃないですか」
「無敵ね。でもちょっとだけわかるわ」
神薙さんが単独行動をしない理由が分かった。
「どいつも こいつも ゴミばかり」
近くにいた神々をバッタバッタと殺し続ける。
「あの……そろそろ次の階層に」
「そうだな。そうだった。だがその前に、ファイアー」
ここまで神層の半分を通過した。
神薙さんは見かけた神を何となくで殺していった。
当然神が死ねば、そいつらが支配している世界も滅びることになるのだが
「すぅぅぅぅぅううう」
ピンクの悪魔よろしく自分の体内に吸収することで、維持している。
敵を倒すことのタイムロスは1フレームも存在しない。
ただその神の数が多すぎる。
神薙さんは敵を倒すのに、10倍くらいの力しか使わないという、冗談のように思える弱点がある。
ふざけんなと思っていたが、こう味方となって一歩下がった視点で見てみると、有象無象でもそこそこな時間稼ぎができるという明確な弱点が見えた。
そういうのを一々相手しないように
「次行きますよ」
「はいはい」
真っ当な感性を持った人が必要なんだ。
とはいえこうなってくると本当に俺がやることはない。
早く先に進みたいが、今俺は新幹線の中にのっている状況と同じ。
自分で速度を決めることは出来ない。
だが暇だ。
仕方ない。神薙さんなら神を殺しながらでも与太話くらい軽くこなせるだろう。
「神 薙 さ~ん」
⑤(表記ミスであらず)光年先にいる神薙さんに呼びかけをするが
「そんな大声出さなくても伝わるぜ」
便利だな。
「暇ですか?」
「気持ち包装紙をプチプチしている気分だ」
つまり圧倒的に暇だということ。
「大学生活の中で一番力を注いだことを教えてください」
「就活の面接官のようなことを言うな。2年で中退したからあまり面白いことはしていないぜ。強いて言うなら……万物を石油に変える研究をしたくらいか」
なんだ思っていたよりしょぼいな。
石油なんていくらでもあるし(23世紀の感覚)
「中退した理由って宇宙人と戦うためですか?」
「それが表向き」
「裏向きって……やっぱ神を殺すためですか?」
一瞬、神を殺す速度が落ちた。
「そうだな。そうなるぜ」
なんとなく存在を知っている。
「しぐ……なんでしたっけ?」
「σφ」
読めないんだよなあ。
「こいつを何とかするために、俺は大学を辞めた」
「それがシンボル?」
「最終的に、そうなった」
真百合が以前口にしていた。
神薙信一が最も恐ろしいところは、無限の能力でも無限の世界観でもない。
たった一つのシンボル
だから今俺達が感じている「神薙強すぎ」「ナーフしろゴミ作者」「糞キャラ乙」なんてものは薄っぺらい紙切れのことだそうだ。
おかしい。なぜ紙切れが全身全霊よりも分厚いのか。
「当たり前の話を聞くけど、なんでシンボルをシュウに渡した? あんたのことだ、ギフト以外にも他の手段はあっただろ」
「そうでもないぜ。俺がバランス調整の為に作ったのは、ギフトスピリットミストダストゴースト超悦者くらいだ」
なんで知らない単語の方が多いのか。
ようするにこれでもまだ俺達では神薙のバランス調整になっていないってことだよな。
「だがこれらはやろうと思えば、いくらでも模倣は可能。嘉神一樹のギフトがそういう能力である以上、これらの能力を渡すのは不誠実だ」
なるほど。あくまで俺に勝つ可能性があるのはシンボルだったと。
「シンボルって結局のところリスクがあるわけ? 早苗は特殊だから例外としてなんかあんまり人に渡したがらない様子だったんだが」
「そりゃそうだ。シンボルについてまだ話してなかったか?」
話していたような気がしないでもないが、覚えてもいないのでもう一度聞く。
「シンボルは己の象徴。分かりやすく言うと、時を止めると言えば」
「DI〇」
「ベクトル操作」
「一方」
「なかったことに」
「クマ―」
「そういうこと」
能力の代名詞みたいなものなのか。
「この能力に限って模倣は出来ない。完全に特許として個人しか扱うことが出来ない」
俺が使えるようになることはないし、神薙さんもその能力に何かすることもできない。
「よく勘違いされるのが、ギフトの方が弱いとかシンボルの方が強いってことだ。そんなことは一切ない」
「それはもう」
さすがにもうそんな勘違いは犯さない。
「忘れがちだがシンボルにはスタミナの消費がない。ただこれは超悦者を覚えているとあんまりメリットにならない」
確かに超悦者になってから消耗の概念が無くなった。
疲れた時は「はあはあ」してればそれで元気に動ける。
「これはたぶん誰も言っていないことだが、IFが存在しなくなる」
「IF?」
「並行世界の分岐が一切起きなくなる」
「な……いやそうですよね」
言われてみれば、分岐が起きるということは複数人になること。
シンボルの理念からは外れてしまっている。
そうなると『物語』クラスの強制力がありそうなシンボルの方が優先されるのは至って普通のことか。
「でも待って。俺並行世界に移動するシンボルと戦ったことあるんですけど」
「あれはそもそも本体が最初からあっちに逃げていただけだろ」
あ そっかぁ。
いわれてみれば俺はあいつの顔を見ていないんだよな。
「ちなみに嘉神一樹は並行世界に存在しない。なぜだかわかるか?」
「えっと……なんで?」
「答えは父親がシンボルを持っているからだ。そこから分岐が起きない以上、結果的にこの世に嘉神一樹は1人しかいない」
無能のせいか。
「だったらほかの人も分岐しません?」
さっきいったことと矛盾している気がする。
「シンボル持ちが地球上にいない状況になれば分岐するから、そこから並行世界が生まれることはある」
神薙サイド以外で最年長のシンボル持ちはたぶん40代だし、神薙さんはちょくちょくこの星から出て行っているので、そういったときに分岐が起きるということか。
「あと……シンボルが強すぎると分岐を否定する。そのシンボル持ち以外の世界を取り込んでしまう」
「え?」
じゃあなんだ。
「シュウは? 早苗は?」
「問題ない。『物語』前提の話だ」
そうか。それもそうだ。
この人が強いなんて表現するのは最低でも『物語』からだ。
「これは本当に関係のない話だが、シンボルを持っている方の世界が正史や本線扱いになる」
多分本当に関係のない話だった。
そうこうしている間に900層くらいは上ったと思う。
「今にして思えば俺はいっつも階段とかに上っている気がする」
はじめは地下収容所、次はビル。そして今天国の階段。
「これはあれだぜ。きっと作者に展開を考える力がないからだぜ」
「…………」
まあ、大丈夫だろ。
「しかし本当に強いですね」
試合形式で戦えば絶対に勝てない神々を次々と(多分数は∞^2くらい)拷問にかけながら進む神薙さんについ本音を漏らす。
「そうか? 俺としてはこれくらい才能も努力も関係ないと思うが」
神薙信一視点では、神をばったんばったん殺しまくるのに、才能も努力も必要ないらしい。
多分リアルでありんこを踏み潰す感覚なんだろう。
ありを踏み潰すのに才能も努力も必要ない。
そう本気で思っている。
「108の弱点、1つ当ててもいいですか」
「当ててやる。他人を過剰評価するところ」
いわれてしまったが、意見は変える気はない。
この人は父さんのようにあほなことをしない限り、人間にクッソ甘い。
その甘さははっきりいって毒に近いといえる。
いつかきっとその甘さは……神薙以外の誰かか何かで害を被るんだろう。
新作書いたけど、正直こっちを書いているほうが10倍楽しい




