挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
チート戦線、異常あり。 作者:いちてる

2章 宝瀬真百合とコロシアイ

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

26/219

反辿世界 2

「失敗したのか」

 扉が空いていないのを見るとまだゲームは始まっていないらしい。

『それではバトルロワイヤルスタートでーす』

 例の声が聞こえて扉が開く。

 こうなってしまったものは仕方ない。やることは一つだ。

 開始してしまった状態でみんなを助ける。

 出来ないことはないだろう。だって俺はある程度今から起きることを知っている。

 最初に

「あ………」

 天谷真子と出会う。

「天谷話を聞け」

 ここから俺は歴史を塗り替え、運命を蹂躙する。

「いやです。真子、先輩のこと大嫌いですから」

 そうかよ。もちろん知ってる。

 それにしても早苗といい俺はよく女性に嫌われる。

「格好つけたい所だが、話は後だ」

 俺は雷電の球ライジングボールで天谷をショートさせる。

「きゃん」

 俺は今急いでいる。

 俺がするべき事は三つ

1,宝瀬先輩を助ける。
2,衣川早苗を助ける。
3,みんなを助ける。

 その為にはまず、今から会う空見を死ぬ運命から救い出す必要がある。

「天谷、よく聞け。俺はこれからみんなを助ける。協力してくれ」
「うぅ………お姉さまは真子だけのお姉さまです。先輩なんかに渡しません」

 なんて事だ。話が通じていない。

「仕方ないな。まずは空見湧井。そこら辺にいるんだろ。出てこいよ」

 湧井は大丈夫だ。一人である程度自分の命は守れる。

 だが空見は戦うギフトではない。この後何もしなければ死ぬことが確定している。

「何で分かった」
「でもどうしてウチがいることわかったんですか?」

 未来が分かっていると本当に行動しやすい。

「空見。協力して欲しい。このままじゃお前死ぬぞ。それとお前だけじゃない。一年全員全滅だ」

 多分天谷も俺が近くにいなければ死んでいただろう。

「天谷。みーちゃんは助けたくないのか?」
「何で先輩がみーちゃんを?」

 未来から来たとは言わない。

「説明は後だ。天谷、空見。少し痛いかしれないが、我慢してくれ」

 俺は回廊洞穴クロイスターホールを発動する。

 よし。ある程度は上手くできた。頬に切り傷が出来たが概ね完璧と言っても問題あるまい。

「ここは?」
「瞬間移動をしただけだ」

 正確には次元移動だったっけ?

 とりあえずある程度の安全地帯に来たところで自己紹介をしないとな。

「空見。初めまして。俺は嘉神一樹。二年十組。以上」
「ウチは空見伊織で一年十組です」

 知ってる。

「説明は省く。俺は未来から来た。だからこのまま行くとお前たちは死ぬ」
「嘘ですね。先輩は嘘吐きです」

 天谷は俺のことを信用していない。

「信用しなくてもいい。大人しく利用されてくれ」
「利用されてと言われて大人しく従う人間はいませんよ」

 天谷を説得するのにも時間がかかるからな。

贋工賜杯フェイクメーカーだろ。お前のギフトの名は」
「何でそれを!?」
「もちろん未来から来たからに決まっているだろ」

 覚えていてよかった。

「空見。いいか、まずお前の同級生を捜し出してくれ。早くしないとそいつら死ぬ」
「良いですけど、先輩。本気で助ける気ですか?」
「当たり前だ。俺は絶望しない」
「じゃあ、一分待っていてください」

 一分か。俺が前使ったときは五分かかったからまあそんなもんか。

「空見。それ俺が負ぶっていても使えるか」
「はい。ウチの異能は基本どんな場所でも使えます」

 そうか。だったら

「まず早苗と先輩だ。天谷、走るぞ」

 俺は鬼人化オーガナイズで手足を鬼化する。

 そして空見を掴み走る。

「えええ!?」

 天谷は訳が分からないまま一緒に着いてくる。

 それでいい。訳が分からなくてもお前たちが助かればそれで良いんだ。

「早苗!」

 衣川早苗は三年男子と交戦していた。

「天谷、援護しなくて良いから大人しく待ってろ」

 俺は雷電のライジングボールで注意をこっちに向けさせた後、

「早苗!一瞬で良いから鬼神化オーガニゼーションを頼む!」
「承知したぞ」

 俺がいることで、急激な体力の減少も大丈夫と判断したのだろう。

 早苗は一瞬でケリを付けた。

「助けに来た」

 俺は息を切らしながら言う。

「何を言うか。倒したのは私であろう」

 それでいい。いつもの早苗だ。本物の早苗だ。

 でも待て、一人?確かここにいるはずの先輩は二人だったはずじゃ……?

「早苗と天谷。空見を頼む」

 急げ。確かこの辺りだったはずだ。

「見つけましたよ。宝瀬先輩」

 ついででに少し小太りの先輩も。

「何をするだ!そこから離れるのだ!」

 状況を見るだけで分かる。

 こいつは今、許されないことをしている。

「嘉神君!!!」
「約束通り、絶対に助けますよ」

 運命なんて家畜の餌でも食ってろ。

 そんなもん未来人の後付設定でしかないんだよ。

「退いてくれ先輩。今なら右ストレートで許してやる」

 後最低四人助ける必要がある。

「ふざけるのは止めるのだ。僕と真百合ちゃんの愛の育みを邪魔するなんて万死に値するのだ!」

 とりあえず、黙っていて貰おう。

「気をつけて!藤くん。三年の中で一番強いわ」

 知ってるよ。だってこいつが音を使うんだから。

「大丈夫ですよ先輩。俺は学園一です」

 負ける気がしない。

 前方に宝瀬先輩。後方に早苗と天谷と空見。

 守るべきものがたくさんいる。

「今の俺にはお前に勝つことしか出来ねえよ」





 瞬殺だった。もちろん殺してないが。

 音による攻撃を柳動体フローイングで吸収。そのあと鬼人化オーガナイズでオラオラしただけの簡単なお仕事だった。

 結果的に体力回復しただけだったな。

「大丈夫ですか?何かされました?」

 一応礼儀として聞いておく。

「ええ。まだ何もされていないわ」

 それはよかった。

「こうなってしまった以上は、この状態のままでみんなを助けます。いいですよね」
「ええ。私も絶望しない。だから嘉神君、絶対に勝って」

 前回は彼女にとっては判定勝ちで俺にとっては判定負けだった。

「任せろ。宝瀬先輩は俺の後ろにいれば十分だ」






「何をしとるのだ」

 誰かが俺のアホ毛を引っ張る。

 物凄くいたい。それこそ死ぬ程痛い。

「何をするとはこっちのセリフだ。折角先輩からお許しをえたのに………」

 半切れで振り返る。

 後ろには、阿修羅がいた。

 阿修羅に見えたのは早苗が先頭にいてその後ろに二人の後輩がいたからだ。

 でも今の早苗、阿修羅でも殺しそうな目をしてる。

 俺の生物的本能が赤信号をあげる。

「さて一樹。遺言を聞こうか」

 殺すことは確定なのね。

「嫉妬?見苦しいわよ。早苗」

 言っていることはあれだがナイスだ宝瀬先輩。このまま俺から注目を逸らすのだ。

「しししっ、なぜ私が貴様なんぞにしっとなどするか!」

 狼狽している。このままいけ!

「そうね。どうしてでしょうね。主に上半身の部分かしら?」

 まあ腋は上半身に位置するな。

「くっ……この脂肪の塊のくせに」
「あら。皮と骨しかない早苗に言われたくないわね」

 基本的に早苗は良いように言われるな。年期の差だろう。

「てかそんな事してる場合じゃねえ。空見。発見できたか?」

 思い出した。

 今俺達コロシアイをしてた。

「え?あ、はい。あっちに三百メートル先です」

 そうか。

「どこ行くの?」
「一年達を助けに行きます」
「………そう。嘉神君。あなたは誰でも助けるのね」
「はい。仲間である限り誰でも助けますよ」

 俺はまた、回廊洞穴で移動する。



+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ