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チート戦線、異常あり。  作者: いちてる
8章 人という名の
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悪魔と勇者 sideA

 神薙さんの拘束からとかれ、動けるようになった瞬間、速攻でギフトを使う。


労働機関オーダーメイド


 同時進行のギフト。

 元の能力者は1つの事柄につき1つしか発動できなかったが、俺は違う。


 九曜白夜への攻撃に右から左からの打撃を、数百おこなう。


 これはあくまでifの能力。


 実際の俺は防御を固めているため、見た目では気づくことはない。


 一撃一撃がビッグバンクラスの打撃。それが計2000

 超悦者で防御しても、こっちが超悦者で攻撃するためダメージは残る。


 通常ならこれでゲームセットなのだが


「きかねえよ。そんななまっちょろい攻撃は!」


 期待はしていなかった。


 俺達能力者には耐性という特権がある。


 『時間』『運命』『世界』『法則』『物語』と順にクラス分けされる。

 通常右のクラスが上位とされ、能力が相反した場合上位の能力が無条件で優先される。


 そして2つ以上のクラスが離れた能力を持っている場合、その能力を無視できる権利がある。


 ただこれには少しばかりの特訓が必要であり、ひょっとしたら持っていないかもしれないと淡い期待をしていたが……こいつもやはり、耐性を持っている。


 『時間』と『運命』の能力は効かないと考えていい。

 『世界』と『法則』の能力しか効かない。


 空間に穴をあける。

 世界の停止と遡行

 次元変換

 地獄の支配


 人形へのダメージ移し

 双子の共存


 計6つの能力しか効果がないと考えていい。

 ただそれで終わらない。


 効くか効かないかは俺しか知らない。

 俺は結果を知っていても、九曜白夜が知っているわけじゃない。


 無効化して防がないといけない攻撃と、防御して防がないといけない攻撃。

 リソースの多さでは、圧倒的にこっちが有利。


回廊洞穴クロイスターホール


 3㎝サイズの穴を周囲一帯に出現させる。

 俺は耐性でこの穴に触れても何ともないが、九曜は世界に対する耐性を持っていないため、触れればその場所がえぐり取られる。


「さあどうする?」

「こうするさ! 九一一一アンチセプテンバー!!!」


 傘を振り回したと思えば、その風圧で穴が吹き飛ばされる。


 周囲の観客に当たりそうになるが、そこは神薙さんがその身をもって止めていただいた。


「いけ! 式神たち!」


 お札を投げたと思いきやそこからちっこい妖精みたいなみたいなものが、出現する。


「まじであるんだな」


 何となくわかる。

 あれはギフトではない。


 純粋な霊力で操っている。


「だからどうしたって話なんだがな」


 息を大きく吸い込み、大小を変化させ


「あ゛あああああああああああああああああああ」


 衝撃波を放つ。


「くっ」


 式神は一瞬で消滅

 因みに周囲の影響は神薙さんがちょっとえっちい下敷きを団扇代わりにして防いだ。


 何でもありだなアイツ。


「どうした。お前のギフトは攻撃に使えないのか」

「……いいさ。九一一一アンチセプテンバー


 傘を使っての一振り。


 逃げてもよかったのだが、どんな能力か知りたかったのであえて受ける。


「くっ…………」


 普通にいい一撃を受けた。


「いい攻撃じゃねえか」

「なぜだ」

「ん?」

「なぜ斬れていない」


 斬れていない?

 こいつは傘で人体を斬れると思っていたのか。


 シュウみたいに性質を付与させる能力か?

 いや、シュウがそういうシンボルを持っている以上同じ能力は存在しないはず。


 だったらどんな能力だ。


 考えていると少し周囲が騒がしくなった。


「あー」


 危なかった。

 保険が無かったらどうやら本当に斬られていたらしい。


「九曜白夜、お前は俺の能力を何だと思っている」

「能力のコピーって自分が言っていただろ」


 正確にはキスした相手の能力を使えるようになる。


「気になるのはどんな能力を持っているだが、その中の一つに人形にダメージを移す能力がある」


 卑那人形ドゥームドールという能力なんだがな。


「それでダメージを受けなかったわけか」

「まあな。でさ、その人形って何だと思う?」

「……?」

「いやね。使っていくうちに別に人形じゃなくてもよくねって思ってさ」


 視線を観客に向ける。


「!!??」


 九曜白夜も俺と同じ光景を見る。


 その先には左腕が斬られた少女が横たわっていた。


「事前に準備しておけば人相手にもダメージを移せる」


 いやー。アンリちゃんを準備しておいてよかった。

 このために連れてきた。


 アンリちゃん顔は可愛いからね。


 フェミニスト相手にはちょうどいい。


「あ。安心してほしい。この能力は人形が壊れる。つまり人の場合だと死ねば能力がキャンセルされる。さっきの攻撃は無駄じゃない」


 攻撃され続け人形がすべて破壊されれば、俺にダメージが通るようになる。


「さあどうした? 早く俺を攻撃してみろよ」

「この野郎……」

「あ、そうそう。言い忘れていたけど、別に人形は一つじゃないからね。どこか遠い国の人を人形にしているかも、もしくは今この場にいる観客にかも、ひょっとしたら…………賭けにした女にかもね」


 無論これは嘘だ。

 俺は無関係な人にそんなひどいことはしない。


 するくらいなら死んだほうがまし。


 だがそれを知らない九曜白夜はどうだ。


「どうした? 攻撃の手が止まっているぞ」

「……」


 こっちの挑発にはのらない。

 賭けの条件は勝敗によってきまるため、引き分けでもいいってことか。


「そういうことなら遠慮なく殴らせてもらうからな」


 自分の分身を作り出し、その分身の次元を変換。

 一〇次元の存在に。


 高次元からの攻撃。


「くっ、かっ、 こぅ」


 効いてる効いてる。


 せっかく何でおまけとして神薙先生に攻撃しようとすると、紐パンツで防がれた。


「白夜、逃げてちゃダメ!! 攻撃しないと!!」

「分かった!」


 女の声援を受けた立て直したかと思うと


九一一一アンチセプテンバー!!!!」


 もう一度さっきと同じ攻撃。


「馬鹿め! そんなに人形を壊したいか!!」


 実をいうと人形は無数にある。

 そのどれかにどれだけダメージを移すのかは俺が直接操作できる。


 だから実際アンリちゃんを傷つけることはしない。


 とりあえず片手で受け止めようとしたが……


「うっそっだろ!」


 俺の防御が無視されて右腕が縦に裂けた。


反辿世界リバースワールド!」


 0コンマ数秒世界を戻しカウンター。


 周囲は俺が見事にカウンターを成功したように見えるだろうが……俺の内心は穏やかでなかった。


 俺の防御を完璧に無視された。


 どんなギフトだ。


 分かんねえ。


 まあ、だったらこっちだって考えがある。


反辿世界リバースワールド


 今度は世界を止める。


 よかった。気づかれていない。


 これがだめなら本格的にまずかった。


「オラぁ」


 解除。


「ぐはああああああああ」


 天高く吹き飛ばす。


「カウント!」

「1、2、3――――」

「ストップだ」


 早いな。もう戻ってきたか。


「まさか氷室爺と同じ『世界』を止める能力を持っているのか?」

「…………」


 まさか真百合と似たような能力を持った奴が帝国にいるとは。


「その能力の対策は出来ている」


 再び式神を。

 今度は姿形がそっくりなものだった。


 周囲一帯九曜白夜で覆われる。


 シュウが昔反辿世界の対策として全く同じ手を使っていたことを思い出す。


「残念だったな。その対策法は今回成立しない」


 シュウの時は制限がなかったが今回は違う。


「4、5、6――――」

「ちょ!?」


 今回は神薙さんがいる。


 通常の人間なら判別が出来なくても、こいつならどいつが本体か判別可能。


 本体がフィールドの外に出ている場合、審判としてカウントをとる。


 逆にカウントをとらなければ、フィールド内にいることが分かるってわけだ。


 正直ここまでは読んでいなかったが、運すらこちらに向いている。


「時間切れを恐れるな! 今が攻め時と思え!! お前は挑戦者だ!!!」


 帝王が激励する。


「そうだ。カウントは判定負けじゃない。使っていい権利。だからこそ!」


 周囲一帯の九曜白夜。


「これでどうだあああああ!!!!!」


 分身から繰り出される全方位からの斬撃。

 その一つ一つの威力は……! 馬鹿な! 


 直感で分かる。


 あの攻撃は『法則』だ。


 時空を。

 因果を。

 森羅万象を


 一撃で崩壊することだって可能とすら感じる攻撃


「くそったれ」


 こうなるとできることは回避。

 急いで空間に穴をあけ移動する。


 周囲の影響は神薙さんがピンセットで一発一発掴んで無効化しているからいいとして、


 ……こいつ。


 俺を殺す気で攻撃しやがった。


「どういうつもりだ!」


 ルール上殺すのはご法度のはず。


「うぬぼれていた。こんないけ好かない奴は、自分より下だって勝手に勘違いしていた。でも違う、あんたは自分より上! だったら……こっちが全力を出すだけだ!」


 …………はあ。

 もういいや。


「いいセリフだよ。でもそれは、シュウが言えばいいセリフだ。お前が言っていいセリフじゃない」


 熱い台詞はシュウのためにある。


 これ以上戦っても実りはなさそう。


「飽きた。能力を暴いて終わりにする」






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