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チート戦線、異常あり。  作者: いちてる
2章 宝瀬真百合とコロシアイ
22/351

目的

安定の変態っぷりです

短いです

「みなさーん。元気にコロシアイをしてますかー?してませんねー?駄目ですよー。ちゃんと殺さないとー。でないと見ているこっちがつまりませーん」


 予想通りの時間帯でアナウンスが鳴る。


 声はあのブスなバスガイドだ。


「あのー。何か言ってるのは分かるんですけど何言ってるのか聞き取れないんです。ハッキリ言ってください」


 俺は予定通りに行動した。


「嘘はよくないですよー。えっとー。嘉神一樹くん。聞こえているのは分かっていまーす」


 今嘉神一樹とあのバスガイドの会話は成立している。


 つまりこちらからの情報も伝わるということだ。


「質問でーす。お前たちの目的は」

「目的ですかー?」


 だいたい予想付くが一応聞いておく。


「それは簡単ですよ。みなさんが苦しむほど楽しいからでーす」


 はい。予想通りのコメントいただきました。


「何で俺たちなんだ」

「そうですねー。正確にいえば目的はあなたたちじゃないんですよー」


 ………


「そこにいる宝瀬家の宝石。宝瀬真百合ちゃんですね」

「それで」

「宝瀬家最高傑作と言われた宝瀬真百合が、あなたたちのようなどうしようもない底辺な連中と惨めで汚らわしいことをしている。それだけで最高とは思いませんかー」


 思わないな。


「例えば、つい一時間前まで泣きべそをかいていた時なんてその時の動画、一分一億で売れるんですよ」


 お、すっげ。と素直に感心した。


 俺みたいな貧乏人には、一億という数字は馴染みのない桁だったからだ。


「だから皆さんはそのおまけ、恨むならあたしじゃなく真百合ちゃんを恨んでくださいねー」


 誰が恨むかよ。


「みなさーん。コロシアイをしないとあと三十分で体内に毒が回りますよ」


 畳みかけるように毒がある発言を続ける。


「そうですねー。解毒剤のありかが知りたかったら真百合ちゃんをレイ〇してくださーい。それも出来る限り集団でお願いしますねー」


 みんなは俺が指示した通り動いた。


「な、なんだってー」

「それはたいへんですわ」

「うわー。しんじゃうー」


 ……演技下手すぎ。


「えー?」


 流石に違和感を持ったのだろうな。


「えっと………解毒剤ならみんな飲んでるんだな」

「えー」

「真子りんに作ってもらいました」

「誰が真子りんですか」


 天谷が蹴る。


 痛くないな。


「そうですかー。だったら毒ガスでもばら撒きますよー」

「さっきから黙って聞いていれば、マニュアル通りの台詞だな。この年増婆が」


 何か切れた音がしたぞ。でも知らない。


「これだからガキは嫌いなんですよー。ガキのくせに何で大人の言うこと聞けないんですかー。ガキどもは黙って大人たちの消耗品になっていれば良いんですよー」


 スピーカーの音を最大にしたのだろう。物凄くうるさい。


 だがこの瞬間勝ちを確信する。


「お前四十年以上生きてるくせに何も分かっちゃいないな。どうせお前は自分が恋人いない歴イコール実年齢なのは出会いが無かったからだと思っているんだろう。だからお前は一生恋人出来ないくらい性格も顔もなんブスだよな」


 あの性格だ。間違いなく恋人いないだろう。


 予想通り神経が数本切れる音がした。


 だがなブスバスガイド、俺はその十倍の神経が切れてるんだ。この程度で許してもらえるとは思うなよ。


「大体主催者も主催者だ。何をしてもアマチュアな甘ちゃんに仕切を任せるなんて今時小学生でも頼まないよな。どうせお前らは親の七光りでここまでやってきたんだろうが、せめて人を見る目くらいは養っておけ。まあ、鏡を見て悲惨なものしか映らないお前らには難しいことだったかな」


 こんな事言われたんだ。怒りに怒り抜いているだろう。


「何一人でぶつぶつ言ってるんですかー。愚かですよー。それに何様のつもりであたしと会話をしているつもりですかー。みなさーん。ペナルティですよー」


 毒ガスをばら撒こうとでもしているのだろうが


「何言ってるんだ。会話ってのはな、会って話すから会話って言うんだ。それくらい小学生でも知ってるだろうが。


 そして、


「俺が格下のお前に一つ常識を教えてやる。会話ってのはな」

「こうやるんだよ」


 ブスバスガイドの前でもう一人の俺がそう言った。



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