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チート戦線、異常あり。 作者:いちてる

6章 黒白の悪魔

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黒白の悪魔と臙脂の閻魔と 2

お久しぶりです
「呼ばれてとび出てじゃじゃじゃじゃーん」
「クソカスめ……」
「ん? そんなに魔夜のこと嫌いなの? チョーショック!!」

 死亡回数が恐らく50回を超えた。

 死んだ原因の8割強が手による攻撃、1割が業火。そして1回だけ血の洪水で呑み込まれて死んだ。

 で、能力についてわかったことがある。

 地獄を支配するなんて言っていたが、多分それも正確じゃない。

 そもそも地獄自体いくつか種類がある。

 生物を無闇に殺した人が行く地獄や、聖職者を殺した時に行く地獄、たしか8種類くらいあったんだっけ?

 でも魔夜ちゃんはそのことを知らなかった。

 だから魔夜ちゃんの能力は正確な『地獄』ではない。

 そもそもどの地獄も『手』に関する要素が無かったはず。

 それに生き物の使役なんてどうやれば出来るのか。

 そこで俺はこう予想する。

 楢木魔夜の本当の能力は、



『自分が思う地獄セカイを具現化、そしてそれを支配する』



 そしてこれも憶測だが魔夜ちゃん、自分の能力を知ったのがつい最近の気がする。

 触れたら即死の手を何万と生やすのは恐ろしいが、無駄過ぎる。

 実際この能力の弱点だろうが、すぐにスタミナが切れる。

 ただしスタミナが切れた後も死んでも真百合形式で黄泉還る。

 GP(ギフトポイント、 名前は今作った。マジックポイントみたいなもの)が10000とするなら獄落常奴アンダーランドは毎秒500消費している。で、GPが0になったら死んで、黄泉還る。そのあとGPが全快している。

 その裏付けとして死んだあと1秒ほど能力を使っていなかった。

 インターバルがたったの1秒なんてふざけているのかと思いたいが、それでも垂れ流しされ続けるよりかはマシだろう。

 何でこういう予想をしたかというと優先権をなかなか得ることができないから、別のアプローチを試みたためだ。

 全くと言っていいほど『世界』を無視する目途が立たない。

 戻りきれなかった傷は強引に切り捨てているため、いまのところは何とかなっているが、もう時間の問題だ。

 ただここまで来ると初めの流れのテンプレが出来た。

大小織製マキシマムサイズ、二次色の人生レインボーライフ、二次色のレインボードリーム

 魔夜ちゃんの大きさをリンゴ大にし、白い画用紙をつくり、その中に閉じ込める。

 普通ならこれで1撃KOのはずだが、そうはならない。

 もうこの後どうなるか分かっているため速やかに距離をとる。

獄落常奴アンダーランド

 画用紙が燃え、辺り数mが焼け野原になる。

「お兄ちゃん酷いよ……? あれ? どこいったの?」

 俺は木陰に隠れる。

 この時間が唯一といっていいほど練習にあてられる時間。

「かくれんぼ~? うーん。魔夜どっちかっていうと鬼ごっこの方が好き」

 興味ないため、無視。

 集中……失敗。

 知ってた。

「むー。どこ?」
「こっち」

 自分の居場所をばらす。

 このままじっとしていたいところだが、ループの経験上それをやったらいけないと学んでいる。

 隠れているばっかりだと広範囲即死技(業火)をぶっ放されるからだ。

 回避することだけならば、一回どこか別の所まで移動し、治まったところで戻ってくればいい。

 でもそれも出来ない。あの業火は地下にいる母さん以外の所長さんたちすべてを呑み込む。

 その時再びメープルがやってきて、

『どうせ今回は繰り返しになるからいいけど、もし突破口を見つけてそれを実行した時、誰かが死んだらやり直しさせない』

 と無茶ぶりをしてきた。

 何度も言うが今の俺では絶対に勝てないから、従う以外手段が無い。

「待ってよ~」
「…………」

 楢木魔夜に害意はない。

 純粋に楽しんでいる。

 他人が被る害を純粋に楽しんでいる。

 ああなってしまえば、人として終わりだ。

 再起の見込みもない。

 残念だが、もう殺す以外救う方法はない。

 だから俺はここで殺さないといけない。

 逃げるという選択肢は存在しない。

「疲れた。ちょっと休憩」

 ここもテンプレ。ただし休憩するのは魔夜ちゃんだけだ。

獄落常奴アンダーランド

 鬼を召還。

 その鬼が俺を追い回す。

 鬼は即死技を持っていないが、鬼神化オーガニゼーションした俺より火力が出る。

 鬼神のくせに鬼に負けるとは、なんて恥さらしのギフトだが『論外』と『世界』の能力だから仕様なのだろうと納得する。

「ウゥ~~~~~」

 金棒を持った鬼が俺に向かって突進してくる。

 魔夜ちゃんは、鬼は強いというイメージがあるが鬼は速いというイメージが無いらしく、追ってきても普通に逃げ切れる速さだ。

「武器なんて捨ててかかって来い」

 と、ここまでがテンプレート。ここからは自分で考える。

 魔夜ちゃんから離れすぎるといつ業火をぶっ放されるか分からないため、あまり離れるのはよろしくない。

 かといって近づきすぎると手で即死する。

 鬼は罠を気にせず一直線で俺に向かって走ってくる。

回廊洞穴クロイスターホール

 指が切れた感覚。

 くっそ、また失敗。

 焦れば焦るほど悪循環に陥る。

 重要なのは見下すこと。

 相手にしない、たいしたことないと思う事。

 こんなことなら寝こみでも襲ってキスしておくんだなと後悔。

 実は30回目からキスして自分のものにしようとしたが、失敗した。

 俺が近づくより手の発動の方が早いからだ。

 34回目で反辿世界リバースワールドを使いタイミングを合わせてやろうとしたが、魔夜ちゃん俺の能力を知っているため、自分の肩から手を生やしていた。

 キスしたら永続で効果が出るが、させなければどうということは無い単純かつ明快で俺の対策をとっていた。

 こうなってしまえば無理と悟ったため、元の作戦に戻したわけだ。

 今回俺はグルグルと魔夜ちゃんの周りを走る。

 正確には海があるため、半円形の往復。

「鬼さん一体じゃ簡単? じゃ、3体追加で!」

 理不尽すぎるが、手や業火を使わないだけで温情なのが現状。

「いけー!」

 ダッシュ

一直線で逃げる。

 しかし今回の鬼は速さを重視したようで、数秒後に追いつかれた。

「フンッ」

 鬼に金棒で大海へ吹き飛ばされる。

 まさか自分が水切りの石になるとは思わなかった。

 何とかまだ生きているが、即死じゃないだけで何も処置しなければ死ぬようなダメージ。

 しかも俺は海に沈む。

 海の底はゴミだらけで冷蔵庫やテレビ、そして壊れたボートが目につく範囲で存在した。

 と……このままでは窒息してしまう。

 体を魚類に変化させ鰓呼吸。

 ん?

 俺は海底からあるものをみつける。

 気になってそれを手に取り、中身を確認。

「なん……だと………?」

 そこにあったのは俺が想像していなかったモノだった。

 初めは偽物かと思ったが、それは既に自分が本物であることを証明していた。

 なんということだ。

 この展開は魔夜ちゃんの能力以上に予想できなかった。

 勝てないと諦めかけていたが、勝機が見えてきたぞ。

メープル様のスーパー無責任ギフト講座!!!

今回のテーマは獄落常奴アンダーランド、6章ボスの魔夜ちゃんのギフトだ。

能力が、動物と話すから動物を操る、動物を召還、地獄を支配するにコロコロ変わってなかなか把握しきれない読者に優しくない能力だよね。そんなんだから未だに総合評価が1000超えないんだよ。
 で、本当の能力はさっき主人公が説明した通り、
『自分が思う地獄セカイの具現化』
こう表現するのが一番適している。
 つまり仏教徒がこの能力を手にすれば八大地獄を、クリスチャンが手にすれば悪魔が住んでいる世界を具現化できるわけだ。
 逆に信仰上地獄が存在しない、死んだ人間がい行くところは『無』と本気で考えている人間はこのギフトを手にしたところで、鬼人化よりも役に立たない能力になってしまう。
 だから所有者がそう思えばそうなるし、思わなければそうではなくなる。
 この物語では地獄は存在するというのはお兄ちゃんが説明したけれど、その地獄とこの地獄は明確に違うというわけだ。
 ただしこの獄落常奴アンダーランドの説明、適当であって正当な説明ではない。

 つーか、誰一人として自分や他人のギフトを正確に把握していないんだよね。

 後書きのくせに思いっきりネタバレしたけれど、これは次章の前ふりだと思ってほしいかな。
 ギフトが何なのか、なぜギフトが存在するのかは次章明らかになるから。
 それ以外にもいろいろな思惑が明らかになるから、お楽しみにってことで。

 じゃ、最後に置き土産として。

 理不尽に絶望するがいい。
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