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チート戦線、異常あり。  作者: いちてる
6章 黒白の悪魔
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Stairway to Heaven vol.1

前回の更新が遅すぎたので今回はちょっと早めに。


今週の金曜日まで更新しなかったらしばらく更新が空くと思ってください

「そろそろ行こうか」

「むしろ早くいくの」


 死体を数え終えやっと出発したのは0時3分。


 5つある階段のうち真ん中のを選び上る。


 1つ上の階にいくのに15段程度の段差がある。


「~~♪」


 初めは上機嫌で階段を駆け上がったまよちゃんだったが


「もうむり。おんぶして」


 10階でギブアップ。


「おい、さっきまでの威勢はどうした」

「知らないの」


 ここでブザー音が鳴り響いた。


 丁度5分か。


「ま、まずいの」

「知ってる、急げ」

「急ぐのならおんぶ」


 物わかりの悪いまよちゃんだ。


重王無宮スクランブルキャッスル


 重力を操作し、まよちゃんの体を浮かす。


「おお! 何だかよく分からないけどすごい!」


 このまま先に進み、地下85階。


「ん? どうしたの?」

「探知するからちょっと待って」


 脱獄の為には鍵を探す必要があるし、そもそも俺の目的は脱獄囚の全滅。


 最初の方の階は囚人たちに体力があるため、一気に駆け上がっているはず。


 だがここからはもしかしたら遅れて、体力の回復の為休んでいる人がいる可能性がある。


 一つ一つ全部確認してもいいのだが、それだと実質500階分の段を上ったり下りたりする必要があるため、めんどくさい。


 ここで八目十目サイトシークを使い人々の動きを確認。


「お」


 どうやら既に一組死んでいるらしい。


 とはいえ実際に自分の眼で見ないと気が済まないので、死体がある方に向かう。




 探知通り死体が2つ。


 これで残り16組。


 ただこの死体がちょっと問題。


 ハチの巣にされていると言えば分かるだろうが、銃弾があちらこちらに散らばっている。


「お兄ちゃん!」


 まよちゃんが指差した先は天井の隅。


 監視カメラやスプリンクラーが設置されると思いきや、そこにあったのはガトリング。


 しかもしっかり銃口はこっちを向いている。


 うわ、やっべ!と口走るより先に銃弾が発射される。


二次色の筆レインボードリーム


 俺に着弾する弾を全て二次に変換。


 これにより実質ダメージ〇。


 これは強いと確信。


 殴打系の攻撃や斬撃系の攻撃は、もう俺には効かない。


「どや、まよちゃん」


 この能力これからも結構使おう。


「……えっと、ちょっときもいの」

「は?」


 キモイだと?


「いくらまよちゃんでもそんなこと言ったら許さないぞ!」

「でも、今のお兄ちゃんすっごくきもいの」


 失礼過ぎるが、まあ仕方ない。


 そんなに言うなら俺が今どうなっているのか見てみようじゃないか。


 鏡を創造し俺の顔を見る。


「うわっ!」


 叫んでしまった。


 銃弾の跡が俺の顔にこびり付き、蓮コラみたいになっていたのだ。


 これはキモイ。


 このままではレンコン男という不名誉な二つ名がついてしまうし、なにより俺の精神衛生上良くない。


「えい」


 全身の皮をはぎ、そして再生。


「完璧」


 すべすべお肌に早変わり。


「今度から絶対あの能力、あんな風に使わん」

「それがいいの」


 心に強くとどめた俺だった。




 その後10階は特にイベントが無く地下70階までたどり着く。


「次はこっち」


 今度は囚人ではなく看守がいた。


「了解なの」


 ふわふわと浮きながら敬礼する。


 2階分歩いたところで看守がいた。


「鍵をください。抵抗してもしなくても手加減はしますが、その度合いが変わります」

「……」


 看守は俺達に鍵を見せつけ、後ろに放り投げどこかに消えてしまった。


「なんだかよく分からないけどさっさと拾うの」


 いやまよちゃん。これは流石に罠だろと思いつつ、ま、どうせ拾わないと鍵を開けられないんだろうから警戒だけしといて拾っとく事にした。


 俺が鍵を拾うのと同時に前後のシャッターが閉まった。


 そしてすぐに天井から液体のセメントが流れてくる。


「ま、まずいの!!」

「知ってる」

「何とかするの!!」

「うん、何とかはするんだけどさ、まよちゃんなんか手伝わない?」

「ええ……。可愛い担当のまよちゃんに肉体動労をさせるの?」


 何かムカついたがここは我慢。


「とりあえず、鬼神化オーガニゼーション


 正拳突きをかます。


 シャッターは少し凹んだだけだった。


「あー。これあれか」


 ちまたで有名な威力だけなら原爆にでも耐えられる物質。


「どうするの?」


 別どうもしなくても回廊洞穴クロイスターホールで何とかできるためそんなに慌ててはいない。


 ただここで試したい新技がある。


獲った獣の皮算用アニマルマネジメント


 右腕を蝦蛄しゃこに変身させる。


 蝦蛄というのは北国に生息するエビっぽいあれ。


 めっちゃすごいパンチで水槽を割ることもある、らしい。


 俺自身は未だ鬼神状態。


 右腕だけが酷く膨張した状態になる。


「オッラあああ」


 俺の拳でシャッターは九の字になり10メートル先に吹き飛ばされた。


「奥義、鬼蝦蛄パンチ」

「ださいの」

「……」


 まよちゃんの一言でこの技も今後使わないことにした。




 拾った鍵は右足に対応し、その場で開錠する。


 残り4つ。


 ただそろそろ


「まよちゃん一度降ろすから」

「なんで?」

「ちょっと休憩」


 体力の限界が来たというわけではないが限界まで頑張って、もしその後すぐに襲われたら対処しきれない。


 無理をする場面ではないのでここは休む。


「30分くらいで全快するからそれまで昼寝でもしてたら」

「そこまでまよの心臓は大きくないの」


 俺はその場で座り、持ってきた水を一気飲み。


「いる?」

「いい」


 ストックはいくらでもあるのは、まよちゃんも知ってるのでこれは遠慮ではなく本当に要らないという事。


 実際動いていないから体力なんてほとんど減っていないのだろう。




 休憩後再び階段を上る。


 地下50階までに囚人の死体が7組あった。


 残り9組。


 そして地下50階の休憩所で


「あ」


 囚人と目と目が合う。


 どちらも面識が無い男。


 西か南か、どっちでもいい。


「よう、そっちはどうだ」


 気さくに話かけるが


「来るな!!」


 一人は俺の動きを制止しようとし、もう一人は既に臨戦態勢。


「ねえまよちゃん。良い情報があるんだけど、聞きたい?」

「なんなの?」

「あいつらの両腕を見てみろよ。腕輪、外されているだろ」

「おお。つまり鍵持っている可能性が高いの。貸してもらうの」


 その通り。


 貸してもらう。


 ただ返す時にご本人が生きているかは不明だけどな。


「というわけで、寄越せ」

「……分かった。だがお前も鍵を持っているはずだ」


 確かにその通りだ。


「交換しようか。まよちゃん。仕事だ」

「え?」

「この鍵と二人が持っている鍵を交換してきて。あいつら俺信用していないっぽいから。失礼しちゃうよな」

「日ごろの行いを考えれば当然だと思うの。お兄さんたち、鍵、頂戴なの!!」


 どのタイミングでやろうか。


 まよちゃんが鍵を手にしたときか、それとも鍵を取り出した時か。


「動くな。動くとこいつの命はないぞ」

「……」


 うわっ。こいつらまよちゃんを人質にとりやがった。


「くそ野郎め! お前ら人間の心は無いのか!!」


 まよちゃんが死んだら爆弾が連鎖し、俺も死ぬ(ただし遡るのであんまり効果はない)。


 こいつらはそれをわかってやっている。


「うわぁあああん、助けてええ!!」

「うるせえ。黙ってろ」


 まよちゃんは泣き叫ぶのがうるさい。


「お前ら、緊張感ないのか?」

「そりゃ、狩る側は狩られる側に比べたら命の危険は少ないからな」

「舐めやがって」


 どうしよう。


 うーん。


「よし、決めた。無限淵アンタッチャブル


 折角なのでカスピトラさんにもらった能力を使おう。


 俺は左の親指を噛み、血液を垂らす。


 そして無限淵アンタッチャブルは、俺自身の血液が床に着くまでを条件に発動。


 これにより俺自身の体感時間は極限にまで引き延ばされる。


 2秒で倍。4秒で4倍。8秒で8倍。1分で60倍。


 肉体は精神に追いつかないため動くことができない。


 ただ精神によって発動するギフトなら、いくらでも使うことができる。


 しかもこの能力、時が経てば経つほどより強くなる。


 さっき発動した時は2人とも回避したが今は実質100倍の速さ。


 発動から効果があるまで1秒かかった能力も0.01秒まで短縮できる。


 その速さでは2人とも二次色の人生レインボーライフでの攻撃を回避することは出来なかった。


 で、ここからが重要なのだがこのままでは俺は永遠とこの終わらない時に閉じ込められてしまう。


 でもそんなことは起きない。


 『時間』の能力で俺を縛ることは金輪際あり得ない。


 カスピトラさんには悪いが、『時間』はゴミ。


 なにせあのタラコバス女が『運命』であるため、俺にとってその下である『時間』はそれ以下の存在だ。


 止めを刺したのを確認し、無視する。


「ふう」


 正常に時が動き出し、同時に2人の意味の無い人生?が終わった。



 これで残り8組。




蓮コラについて

絶対に検索してはいけません。

絶対ですからね!

絶対ですよ!!

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