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精霊と冒険者の俺  作者: ぬぅりる
異世界冒険者編
2/5

第一話ー修行する俺ー

異世界に来てから一ヶ月経った。

寝て起きたら元に戻るんじゃないかと期待はしたが、そんな事もなく時間は過ぎて行った。

俺はあの後、湖に近い場所に大きな木があるのを見つけた。木の表面に登りやすいデコボコがあったので、木の上で過ごす事にした。

理由は、寝てる間にゴブリンとかの危険生物に襲われない為という簡単な事なんだけどな。

だけど丁度その日の夜に木の下を通るゴブリンを見た時には肝が冷えたよ。

仲間の死骸を見つけたのか、かなりの数のゴブリンが徘徊してて本当に怖かった。


住処を見つけたは良いんだが、食べ物に関しては本当に苦労した。

少し探索すると果実が結構あったので採取した。

赤、黄、青、白の果実だったんだが、こいつらがかなりの曲者だった。

まず赤。見た目はリンゴで味もリンゴだったが、リンゴはリンゴでも毒リンゴだった。食べた瞬間に舌が焼けるような痛みに襲われ、同時に体に倦怠感が襲う。あの時は死を覚悟したな。なんとなくで口にした青い果実を食べたら舌の焼けるような痛みと倦怠感が、綺麗さっぱり消え失せたから大事にならなかったけど、あれは本当にやばかった。

次に黄。見た目はバナナ、味もバナナ。ただ、それに痺れ効果がついて来た。「また毒かよ!」と叫ぶ暇もなく俺の体の自由は奪われて、指一本動かすのが辛くなった。これも長い時間をかけて、効果が薄まった時に青い果実を食べて事なきを得た。

これで分かったのは、赤は毒、黄は痺れ毒、青は状態異常回復という事だ。ちなみに青い果実は、見た目も味も大きな粒の葡萄だった。

残るは白だが、後で語ろうと思う。


危険な果実を食べた俺は、なんとしても魚とか他の物をゲットしなければと躍起になった。

そこらにある木の枝と、丈夫そうな蔦、あとは何故か身につけていた皮の防具に装飾されていた金具で釣竿を作った。

餌は、森だから土に虫がいるんじゃね?という浅はかな考えで解決した。

湖でゴブリンが居ない事を確認して釣りをする。なかなか釣れなかったが、体感時間で1時間くらいで一匹目が釣れた。なかなかの大物で幸先が良いな、と思っていたら重要な事に気が付く。

そう、火がないという事に。

火がなければこの魚を焼けない。焼けなければ食べられない。俺には初見の魚を刺身で食べれるほどの度胸は無いので、次に火を着けることにした。

しかしこれが難しくて、時間が掛かってしまった。幸い比較的涼しい、というか寒いくらいなので魚が腐ることもなく、乾燥もしていて燃えそうな木の枝も見つけることが出来たのが良かった。火種を作るのに手間取り、時間が掛かったがなんとか火を着けることに成功した。

その後は普通に魚を焼いて食べた…あ、勿論内臓はとったぞ。


その後、夕飯の為にもう一匹と思い糸を垂らしたが(蔦だけど)、金具だけ取られてしまい、魚釣りが出来なくなってしまった。

他の魚を捕る方法を探さなくてはいけなくなったので、とりあえず住処に帰ることにした。

とりあえず、帰る途中で思いついたモリで魚を取るという方法。これは、身体能力が微妙に上がっていて出来なくも無いので、この案を使うことにした。

出来るだけ真っ直ぐな木の棒を幾つか用意して、ロングソードで削っていく。

最初は上手くできなかったが、だんだんと上達していって、納得できるモリが完成した。

もう一回湖に行き、魚を捕ることにしたんだが、今着ている服を濡らすわけにはいかないのでどうしようか考えていたが、どうせ人も来ないだろうと全裸で入った。幸い俺は水の中で目を開けられる人間なので、魚の位置がなんとなく分かるだろうと湖に潜り目を開けた。すると何故か、水の中なのに鮮明に見える。見える事に損は無いので、異世界に飛んだせいかな?と納得することにした。

そして魚を捕るわけだが、甘くみていた。

まず魚が早い。しかも、捉えられてもモリが当たらない。勿論ゴムなんて付いていないので、自分の腕力でモリを突き出さなきゃいけないから当たる気がしない。

さらに深刻なのは、息が続かないことだ。

俺は魚を諦めることにして、住処に戻った。


俺は考える。

どうしたら魚を捕ることが出来るのだろうかと。

考えた末に、俺はこの考えに至った。


体、鍛えようか。


そうとなったら話は早い。俺はまず筋トレを始めた。

腕立てや腹筋など筋トレ各種をできるだけやった。

やった後で、筋トレだけしていると、動かす筋肉にならないとTVでやっていた気がするので、肺活量をつける為に、湖の周りを三周、素振り100回にモリを槍にみたてて、刺突の練習をした。

湖の周り一周で500mくらいあった。

これだけの量が出来るのには自分でも驚いた。


筋肉痛に耐えながらも住処の木に登ると、目の前に色とりどりの果実がある。

忘れてた、夕飯これしかないじゃん。

俺は青い果実を食べながら毒と戦った。

昼に食べたせいで量が減っていたのか、青と白が一つずつしか残ってない。

白いのは、見た目は小さなメロンだった。

どんな毒が待っているかと白い果実を食べると、かなり美味しかった。昔食べた高級メロンの味がして、テンションが上がっていく。

俺はそこで急な眠気に襲われる。

はぁ、次は睡眠毒かよ。

そう考えた後、俺の意識は途絶えた。



目が覚めると、朝になっていた。

どうやらただ強制的に眠らせるだけらしいな。

驚いたのは昨日あれだけ筋肉痛が酷かったのに、痛みの欠片も感じない。むしろいつもより調子が良い。

白い果実は強制睡眠させられるが、疲労回復力がかなり上がるみたいだ。


元気になった俺は、モリを持って湖に向かう。魚を捕る為に潜り、失敗して帰る。帰る途中で果実各種を採取して持って帰り、修行を始める。


こんな感じで一月の時が過ぎて行った。

やっていく内に魚が捕れるようになり、修行の内容も変わっていった。

筋トレの量がかなり増え、湖の周りも20周、素振りも振り下ろし、切り上げ、横薙ぎなど種類が増えた。モリを使った槍術も刺突以外にも薙ぎ払いや棒術もやるようになった。

槍術に関しては、ランスではなくて三国志などで出てくるような槍を想定している。

槍は種類にもよるが斬突殴の三種類の攻撃が可能で、俺との相性が良いようだ。

実際、ロングソードでの剣術修行より、モリを使った槍術の修行の方が上達している。


「はぁ!」


俺は最近殆どの時間を修行に使っている。

食糧の確保も安定しているし、ゴブリン達の活動が活発になってきたから力をつけることにした。

今は剣術修行は辞めて、槍術修行を重点的に行っている。


「だから槍が欲しいんだよな……っておわぁ!」


俺が呟いたと同時にロングソードが輝き始める。

輝きが収まった時、手に持っていたのは槍だった。

しかもその槍は、穂が60cmくらいで穂の根元から大きめの三日月型の突起が四つ出ていて、刃が外側に向いている。それで柄は140cmくらいという、実践には向きそうもない槍だった。


「お、おおう……。こ、これが噂の形状変化か……」


自分でもよく解らないが、このロングソードは形状変化が出来るようだ。

うん、そういうものなんだ、納得しよう。

しかし、この槍使いにくいよな…。普通の十字槍とかに変化させようにも、どうやらこの形状変化はルールがあるから変えられないし。

ロングソードにも何故か今は戻せないので、この槍の扱いに慣れるしかない。

よし、修行頑張るか!


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