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アウトロダクション 終 点(その1)
冬祐は仰向けで天井を見ていた。
「あれ?」
戸惑いながら上体を起こす。
そこはシングルサイズのパイプベッドの上だった。
不意にベッドを囲んでいる純白のカーテンが開いて、白衣姿の中年女性が顔を出す。
「大丈夫?」
その顔に、ここが学校の保健室であることを理解する。
そこへ――
「ういー」
――さらにカーテンを開いて、同じクラスの長田が顔を出す。
「どうよ、具合は」
声を掛ける長田に、冬祐は頭を掻く。
「えーと、どうしたんだっけ?」
なぜ、自分は保健室にいるのか?――さっぱり、身に覚えがない。
長田がベッドに腰を下ろす。
「頭も打ったのか? いきなり倒れたんだろうが、昼休みに」
言われてみれば、確かにそうだったと思い出す。
教室で長田と話してて……。
「じゃあ、今は……」
「放課後だよ。よく寝てたなあ」
長田が笑いながら問い掛ける。
「で、どうする? 来るのか? 今度にするか?」
「えーと」
冬祐は頭の中で記憶を手繰る。
そして“DVDを借りに行く”という話をしていたことに思い至る。
「あ、ああ。行くよ」




