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第7話 真相と覚悟(その5)

「ということだ。ムナクソだろ」

 吐き捨てる竹児のとなりで、冬祐が無意識につぶやく。

「すべては“女王様”のために……か。ふざけやがって」

 翠はそんなパラサイティブゾーンを――“女王様”を、ずっと信じていたのだ。

 それなのに……。

 やるせなさを隠さない冬祐と竹児に、瑞行が続ける。

「それだけじゃありません。願いを叶えることで得られる満足感もパラサイティブゾーンを支える資源となるのです」

 定睦が――

「ほう」

 ――続きを目で促す。

「お話しした通り、強い絶望感を得られそうな者は“絶望兵器”に変えます。その一方で強い絶望感を得られそうにない者には願いを叶えて満足感を与えます。その満足感を資源として抽出しているのです。一種の生体電源として」

 竹児が補足する。

「冬祐も見ただろ、あのタコがいた部屋だ。あそこが生体電気の抽出室らしい」

 冬祐はタコのいた部屋で見たものを思い出し、今の瑞行の話と頭の中で組み合わせる。

 あの部屋で柱に封入されていた老女は、最初に冬祐が連れてきた上半身だけのアンドロイドではないのか。

 人間になり、タコに手を引かれて行った彼女が、生体電源として消費されることで老齢化した姿ではないのか。

 “女王様”にとって、彼女は“絶望エネルギー”を得られない存在だったのだろう。

 だから、すぐに人間に変えて生体電源にしたのだ。

 快翔のマンションで冬祐が抱いた疑問――最初の“上半身だけの彼女アンドロイド”と翠の扱いが違う理由とはなんだったのか?――その答えがそこにあった。

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