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第5話 仲間たち(その1)
「えーと」
冬祐は立ち尽くす。
そのとなりで、翠も首を傾げている。
宅配ボックスの開いた扉から覗く闇の中へと踏み込んだはずだった。
しかし、今、目の前に広がっているのは――シャワールームだった。
「なんでだ?」
「さあ」
ふたりで、閉じた扉を振り返る。
「とりあえず、出よう」
「はい」
翠が扉に浮かぶ操作パネルに、指を這わせる。
かすかな作動音とともに扉が開く。
しかし、その先はまたしても闇。
冬祐は考える。
ここから出るには、この闇を通らねばならないらしい。
だが、しかし。
宅配ボックスの扉の先が、このシャワールームなのである。
ということは、この闇の向こうは宅配ボックスの外――ボラガサキ市の公園跡地に戻ることになるんじゃないのか?
さらに、問題はその次である。
改めて、宅配ボックスの扉に入っても、またシャワールームに戻ってくるんじゃないのか?
つまり、現在の宅配ボックスは冬祐たちにとって“帰り道”でも“女王様の待つ世界への入口”でもなく、単に“シャワー室の扉”でしかないんじゃないのか?
そんなことを考える冬祐だが――
「行きましょう。迷っててもしょうがないです」
翠が闇の中へと足を進める。
「確かに、ずっとシャワールームにいるわけにもいかないしな」
続いて冬祐も扉をくぐる。




