七の駒
「助けて〜」
そんな声を聞いて飛び起きる僕。
「いったい外で何が起こってるんだ」
窓から外を見るとそこは火の海になっていた。落ち着いてとりあえずシェリアと合流する。
「こんなひどい、、」
シェリアはそう言って悲しい顔する。
「シェリアはお母様とお父様と一緒に逃げろ」
「でもそしたらお兄様が、、」
「大丈夫だ確かに俺はシェリアより弱いが1つ策を思いついた」
「本当ですか?」
「僕がシェリアに嘘ついたことあった?」
「わかりました、、絶対に戻ってきてくださいね!」
そんなこんなで僕は魔力の濃い方へ向かう。
走って向かっているとこんな声が聞こえてくる
「人間絶対許さない!」
「魔王様を殺した人間滅ぼす!」
僕はその声に聞き覚えがあった。そう僕が8回目の転生、魔王だったときにいた7人の幹部の1人だ。7人の幹部通称7の駒、彼女はその中の1人、脳筋でパワー全振り獣人のダイナミスだ。彼女は僕がモブになるためにわざと死んで転生しているのをもちろん知らないため勇者に僕が殺されたからその仕返しに人間を滅ぼそうとしているのだろう。とても困った。どうしよう。僕はいつも魔王になって勇者に殺されたり、勇者になって魔王に殺されたりしているからこういう事はたまにあるのだ。だからいつもの感じで行くか。そんなことを考えているとダイナミスの前まで来ていた。
「なんだお前は!」
ここで素直に魔王ですと答えると、今後僕がモブになれなくなるためここは逃げよう。
「なんでもありませんすいませんでした!」
僕はそう言って全速力で逃げた。まぁだけどこのままじゃ人間が本当に滅んでしまうので少し手を打つか。
「なんだったんだあいつは?」
「まぁいい次の村だ」
「おい、ちょっと待って」
「なんなんだよお前戻ってきたのか?」
そう言って彼女は振り返る。そうすると彼女は驚愕したような顔をして僕に抱きつこうとしてきた。僕はそれをきれいに避ける。そして彼女に喋りかける。
「まったく何やってんのダイナミス?」
「僕が死ぬわけないでしょう」
「でも魔王様青い光とともに消えていった、、」
そう言って彼女は手をもじもじしている。
「あ、あれは、ワ、ワープしただけだよ。」
「そうだったんですか!ごめんなさい、、、」
「もう何やってんのもし僕が死んでたとしても人間に当たるのは違うでしょう」
「しかも僕が死ぬわけないし、ダイナミスには自分の仕事があったはずでしょう!」
「うっごめんなさい」
「他の7の駒にも伝えといて、僕は死んでないから暴走すんじゃねーぞってね」
「魔王軍の運営は頼んだぞ。それがわかったらさっさと行け僕はやらないといけないことがあるんだ」
「分かりました。次からはサボらないです」
そう言ってダイナミスは逃げるように魔王城に帰っていった。