96. 二日後
闘技大会の決勝戦から二日が経った後、エマが目を覚ました。視界がぼんやりとし、意識が戻ると、そこはヴァルディアの王宮内にある医務室だった。
目を開けると、ベッドの横にひざまずいていたルナが大きな声で叫んだ。
「エマ! 大丈夫か!?」
「ルイ……」
エマがゆっくりと目を動かすと、ルナは感極まったように彼女の手を握りしめ、顔をくっつけるようにして抱きついた。
「良かった……! 本当に良かった……!」
その時、医務室の扉が開き、現国王の息子、セドリックが顔を覗かせた。彼の表情には安心と喜びが混ざり合っている。
「目を覚ましたのか! 本当に良かった……! 君が回復するまで、心配でたまらなかったんだ」
セドリックは一歩踏み込むと、手に持っていた飲み物をエマに差し出した。
「これを飲んで、しっかり休んでくれ。ほかに必要なものがあれば、何でも言ってくれ」
「ありがとうございます……」
エマは力なく微笑みながら、その手を受け取った。
セドリックはしばらく黙ってエマを見つめ、その後、静かに話し始めた。
「エマ、君が完全に回復したら、ゆっくり話をしよう。君がしてくれたこと、感謝してもしきれない……。国王を救ってくれたお礼をしたいんだ」
その言葉に、エマはふと疲れたように目を閉じたが、心の中では安心と安堵の気持ちが広がっていった。




