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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第四章 ヴァルディア

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91. 一騎打ち

 コロシアムは静寂に包まれ、セドリックとシルヴァが対峙した。二人の間に張り詰めた空気が漂い、観客の誰もが息をのんで見守っている。


 セドリックが剣を構えると、その刃先に雷の力が集まり、火花が弾けた。


「これ以上は容赦しない」


 シルヴァも負けじと剣を持ち直し、鋭い眼差しを向ける。


「望むところだ。勝利を手にするのは――俺だ!」


 その瞬間、両者が同時に動いた。


 セドリックの剣が青白い閃光を引きながら、シルヴァへと突き刺さるように迫る。一方で、シルヴァの剣も雷を纏い、全身の力を込めて振り下ろされる。


 ズガァァァンッ!


 轟音とともに二つの雷撃が空中で衝突し、眩い光が観客席を照らす。地面が震え、砂塵が舞い上がる中、二人はそのまま何度も剣を打ち合った。


 シルヴァは素早い足さばきで間合いを詰め、剣に火炎の呪文を込めて放つ。


「フレイム・スラッシュ!」


 炎の刃がセドリックを切り裂こうとするが――。


「甘い」


 セドリックはわずかに身を反らし、鋭いカウンターを叩き込む。


「フロスト・ブレード!」


 冷気の剣がシルヴァの剣を覆い、火の魔法を凍らせる。その氷の刃が一瞬の隙を突き、シルヴァの胸元を捉えた。


「ぐあっ……!」


 シルヴァの体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。光が彼を包み、脱落が告げられる。


「勝者、セドリック選手!」


 ジャック声が高らかに響き渡る。


「ついに残ったのは二人! セドリック選手と――あの動かざる女神、ルナ選手! これは一体どうなるんだ!?」


 セドリックはゆっくりと立ち上がり、ルナを見据えた。


「……これで決まる」


 静かに歩み出すルナの瞳には、冷たくも確かな光が宿っていた。

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