91. 一騎打ち
コロシアムは静寂に包まれ、セドリックとシルヴァが対峙した。二人の間に張り詰めた空気が漂い、観客の誰もが息をのんで見守っている。
セドリックが剣を構えると、その刃先に雷の力が集まり、火花が弾けた。
「これ以上は容赦しない」
シルヴァも負けじと剣を持ち直し、鋭い眼差しを向ける。
「望むところだ。勝利を手にするのは――俺だ!」
その瞬間、両者が同時に動いた。
セドリックの剣が青白い閃光を引きながら、シルヴァへと突き刺さるように迫る。一方で、シルヴァの剣も雷を纏い、全身の力を込めて振り下ろされる。
ズガァァァンッ!
轟音とともに二つの雷撃が空中で衝突し、眩い光が観客席を照らす。地面が震え、砂塵が舞い上がる中、二人はそのまま何度も剣を打ち合った。
シルヴァは素早い足さばきで間合いを詰め、剣に火炎の呪文を込めて放つ。
「フレイム・スラッシュ!」
炎の刃がセドリックを切り裂こうとするが――。
「甘い」
セドリックはわずかに身を反らし、鋭いカウンターを叩き込む。
「フロスト・ブレード!」
冷気の剣がシルヴァの剣を覆い、火の魔法を凍らせる。その氷の刃が一瞬の隙を突き、シルヴァの胸元を捉えた。
「ぐあっ……!」
シルヴァの体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。光が彼を包み、脱落が告げられる。
「勝者、セドリック選手!」
ジャック声が高らかに響き渡る。
「ついに残ったのは二人! セドリック選手と――あの動かざる女神、ルナ選手! これは一体どうなるんだ!?」
セドリックはゆっくりと立ち上がり、ルナを見据えた。
「……これで決まる」
静かに歩み出すルナの瞳には、冷たくも確かな光が宿っていた。




