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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第四章 ヴァルディア

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90. 見えない魔力

 一触即発の緊張感が戦場を支配する中、最初に動いたのはセドリックだった。


「ふっ……手合わせ願おう」


 彼の唇に笑みが浮かぶと同時に、雷と氷の魔力が剣の刃に渦巻いた。その剣が弧を描き、リチャードの胸元を狙う。


「くっ……!」


 リチャードは即座に反応し、杖を振り上げて盾を生み出す。


「フレイム・シールド!」


 炎の壁が剣を受け止め、雷撃が火花を散らす。しかし――。


「甘い」


 セドリックの一閃は盾を突き破り、リチャードの体に衝撃波を叩き込んだ。


「ぐあっ!」


 リチャードは後方へ吹き飛ばされるが、地面に倒れる直前に杖を突き刺して体勢を立て直した。


 その時、ダリウスの視線が鋭く輝く。


「セドリックが目障りだ……闇に葬る」


 ダリウスの手にある黒い短剣が再び不気味なオーラを放ち、彼の周囲の影が生き物のように蠢き始めた。


「シャドウ・リーパー」


 短剣から放たれた影の刃が、空間を裂きながらセドリックに迫る。しかし――。


「遅い」


 セドリックは剣をひるがえし、雷の一撃を放つ。光が闇を切り裂き、ダリウスの影の刃を消し去るとともに、彼の胸元に強烈な一撃を叩き込んだ。


「ぐっ……!」


 ダリウスの体が宙を舞い、吹き飛ばされる。


 リチャードの視線はルナに定まる。彼女は依然として動かず、敵の攻撃をただ受け流すだけで立っている。


「……今がチャンス!」


 全身の魔力を練り上げ、リチャードは渾身の力で突撃した。


「フレイム・ストーム!」


 炎の竜巻がルナを飲み込もうとする。だが――。


 ルナがようやく動いた。


 彼女はわずかに手を掲げ、指先を軽く動かす。それだけで――。


 シュウウウ……


 猛る炎は音もなく消え去り、静寂が場を支配した。


「そんな……馬鹿な……!」


 リチャードの顔が青ざめる。その瞬間――。


 ルナがリチャードに向けて冷徹な瞳を向けた。


 ゴォン!


 見えない魔力の波動が空間を震わせる。リチャードの体が宙に浮き、まるで巨大な見えない手に弾き飛ばされたかのように、勢いよく後方の壁へと叩きつけられる。


「ぐあっ……!」


 観客席から驚きの声が上がる。リチャードの体が光に包まれ、脱落が告げられるのを見届けると、ルナは再び静かに立ち尽くす。


「リチャード選手、ここで敗退! 残るは――セドリック、シルヴァ、そしてルナ!」

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