9. 魔法学校への合格通知
実技試験から数日後、エマはロンドンの自宅に戻っていた。
エマが早朝に目を覚ますと、窓の外から小さな白い鳥が飛んできた。
「なに……?」
鳥は窓をつつきながら、何かをくわえているようだった。エマが急いで窓を開けると、鳥はふわりと部屋の中に入り、机の上に手紙を置くと、そのまま消えるように姿を消した。
「魔法の手紙……!」
震える手で封を切ると、中から上質な羊皮紙が出てきた。その表面に手書きのような美しい文字が浮かび上がり、そこには試験に合格したことが記されていた。
エマは手紙を読み終えると、胸の中にじわじわと感情が湧き上がるのを感じた。
「合格した……!」
その日の夕方、エマはルイとロンドンの自宅で再会した。
「エマ、届いたか?」
「うん! 見て、合格したよ!」
エマは手紙を見せながら嬉しそうに笑う。
「エマの所属はルミナス・カレッジか……エマの魔法にぴったりだな」
「ねえ、カレッジってどんなところ?」
エマが興味津々に聞くと、ルイは少し考え込みながら答えた。
「アルカナ魔法学校には30個のカレッジがある。それぞれが異なる伝統と専門性を持っているんだ。ルミナス・カレッジは、創造性と独自性を重んじるカレッジで、特に炎や光の魔法に秀でた学生が多いんだ」
「炎と光の魔法に……自分でも得意だと思ってたから、すごく嬉しい! ねえ、ルイのカレッジは?」
「俺は別のカレッジだ。アルカナ魔法学校では知り合いがいれば、自分の所属していないカレッジにも出入りができるから、いつか俺のカレッジにも招待するよ」
「じゃあ、いつかルイのカレッジにも行けるんだね!」
エマはそう言って、少し照れくさい笑顔を浮かべた。
「……別か。これからは、自分の力で頑張らなきゃな」
エマはしばらく黙った後、決意を新たにした。その手紙をしっかりと握りしめながら、心の中で誓いを立てる。