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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第四章 ヴァルディア

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84. 闘技大会 Aブロック

「ついに始まりました! 第一試合、Aブロック50名のバトルロイヤルです!」


 実況席のジャックが、熱を帯びた声で叫ぶと、広大な闘技場を囲む魔法結界が煌きだす。


「勝ち残り形式で行われるAブロック! 戦士たちが死力を尽くして戦うその戦いは、魔法と力の壮絶なバトル! 武器も戦術も自由だ! 魔法剣士や魔弓使い、実力者たちが一堂に会する!」


 闘技場の鉄の扉が重々しく開かれると、爆発的な歓声が響き渡り、50名の戦士たちが次々と姿を現した。


「さあ、選手たちの入場だ! その勇姿を見逃すな!」


 ジャックの声がさらに高まる。


「注目選手はこの男! 我らがヴァルディアの英雄、セドリック!」


 金色の髪を風になびかせ、堂々と歩むセドリックの姿が現れると、地元の観客たちが声を上げて歓喜に沸いた。


「セドリック様ー!」

「ヴァルディアの誇りだー!」


 ジャックもその興奮を抑えきれず、息を弾ませる。


「この人気ぶり! まさに王者の風格を纏ったセドリックが、どんな戦いを見せてくれるのか! 期待が高まります!」


続いて、過去の大会で名を馳せた選手たちが入場。


「リース・ファルクナー、グレン・ストロング、そしてミア・ウィロウも登場!」


その後、大鐘が鳴り響き、試合開始の合図が告げられる。


「戦いの火蓋が切られました! さあ、誰が最後まで残るのか!」


 地面が震え、魔法の爆発音と共に火球が空を焦がす。剣の閃光が交差し、闘技場は一瞬で戦場に変わる。


 リース・ファルクナーが闇色の長弓を引き絞り、黒い魔法の矢を放つ。その矢は、空中でしなやかに曲線を描き、ターゲットに追尾しながら迫る。


「見ろ! 闇の魔弓使い、リースだ! あの魔法の矢は、回避すら許さない!」


 相手の魔法の盾が砕け散る度、リースの口元には冷たい笑みが浮かぶ。


 グレン・ストロングは、巨盾を片手で持ちながら迫り来る敵を跳ね返していく。炎の魔弾が盾に衝突し、弾ける音を立てて弾かれた。続けて、突進してきた剣士を盾の一撃で吹き飛ばした。


「さすがだ! 鉄壁の守護者、グレン! あの盾を破れる者はいるのか?」


 ミア・ウィロウが魔法陣を描くと、空から雷の槍が次々と現れ、彼女の周囲を防御するように空を裂いていく。


「ミアの魔法陣! あの雷撃は、一撃で敵を消し去る!」


 戦いはさらに激化し、突如として、戦場の空気が変わった。


「出ました! セドリックの魔法剣だ!」


 セドリックが剣を振ると、光をまとった刃が一閃し、周囲に衝撃波を巻き起こす。その一撃で、炎の魔法を唱えようとした術者が吹き飛ばされ、崩れた石柱が宙を舞う。


「なんという力! 見ろ、この剣技!」


 観客席の歓声はさらに大きくなる。


 リースの魔法の槍がセドリックに迫るが、彼は難なく回避し、槍を魔力で砕く。その後ろから迫る敵を振り向きざまに一撃で吹き飛ばすと、ジャックが息をのむ。


「一撃だ! どんな敵も彼の前では刃を交える間もない!」


 戦いが激しさを増す中、ミア・ウィロウが再び魔法陣を浮かべ、その中から鋭い雷の槍が飛び出す。


「雷撃だ! あの槍を食らえばただでは済まない!」


 だがその時、ミアの視界の端に素早く動く影が現れる。リースが闇色の矢を放つと、その矢は魔法陣の中心を正確に貫いた。


「な、なんと! 魔法陣が崩壊した!」


 雷の槍が霧散し、ミアの表情が険しくなる。その隙を見逃さなかったリースは、矢を続けて二本放ち、ミアの周囲の防御魔法を次々と打ち破った。


「ミア、ここで敗退だ! リースの精密な射撃が光った!」


 雷光の魔法陣が崩れると、観客席からどよめきが広がる。


 一方、グレン・ストロングは攻防の真っ只中にいた。彼の巨大な盾は敵の攻撃を何度も弾き返してきたが、今度の相手は魔法剣士二人。彼らは見事な連携でグレンを挟み込むように動く。


「鉄壁の守護者が追い詰められている! 左からは火炎の剣、右からは氷刃の突きだ!」


 グレンは盾を横に回し、火炎の一撃を防ぎつつ、反対側の剣に力を込めて跳ね返そうとした。しかし、バランスを崩した瞬間、氷刃が盾の隙間をすり抜け、魔力の防御を打ち破った。


「防御の隙間を突かれた! なんという連携だ!」


 強烈な一撃を受けてよろけたグレンは、さらに衝撃波で吹き飛ばされてしまう。


「グレンもここで敗退! あの盾を打ち破るとは、見事な連携だ!」


 しばらくして、場内が一瞬静寂に包まれると、最後に残ったのはセドリックとリースの二人だった。


「これは熱い展開だ! Aブロック最後の一騎打ち! 英雄セドリックと魔弓使いリースの直接対決!」


 リースが放った矢が風を切り、魔法の力で弧を描きながらセドリックを取り囲む。


「囲まれたぞ! あの影の矢は避けられない!」


 だが、セドリックの剣が再び光を放ち、すべての矢を斬り裂く。


「なんという技だ! どんな矢もこの男の前では無力だ!」


 二人の間に魔力が激しくぶつかり、地面が割れ、爆風が吹き荒れる。最後の瞬間、セドリックが跳び上がり、強烈な斬撃を繰り出した。


「決まったぁ! セドリック、見事な勝利です!」


 観客席は割れんばかりの歓声に包まれ、セドリックは剣を振り下ろしたまま立ち尽くし、勝利の証を掲げた。


「これぞ英雄! これぞヴァルディアの誇り!」

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