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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第四章 ヴァルディア

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79/207

79. 服

 闘技大会への出場登録を済ませた夜、ルナ(ルイ)とエマは手作りの夕食を終えて宿の部屋でリラックスしていた。エマはソファでクローキャットのクロと一緒にくつろいでいる。


 シャワーの音が止むと、浴室のドアが開いた。湯気の中から姿を現したのは、長い髪が濡れたままのルナだった。彼女はバスタオル1枚を体に巻きつけ、何事もなかったように部屋へと戻ってきた。


「……なんでそんな格好で部屋に出てくるのよ!」


 エマは顔を赤らめ、驚きと怒りが入り混じった声を上げた。


 ルナは涼しげな表情で肩をすくめる。


「俺は今女だ。何が悪い。それより服を貸してくれ。男物の服は胸が苦しいんだ」


 その言葉に、エマは言葉を詰まらせながらも反論した。


「私の服を着てもどうせ苦しいから! 魔法で胸を小さくすればいいでしょ!」

「これは俺が女に生まれた場合の姿だ。胸だけ小さくするなんて無理だ。それに、出場登録を済ませた後でまた姿を変えるわけにはいかない」


 エマは目を見開き、驚きの声を上げた。


「もしかして、この国にいる間はずっとその姿でいるつもりなの?」


 ルナは何の迷いもなく頷いた。


「もちろんだ。慎重に行動するのも、闘技大会の戦いに集中するのも、それが一番安全だからな」


 その真剣な瞳に、エマはしばし言葉を失った。気まぐれで変身しているわけではない。ルイがここまで慎重に策を練るのは、それだけ戦いと陰謀が絡む大会の危険を理解しているからだと気付く。


 エマはため息をつきながら、タンスから服を取り出した。


「じゃあ、これ貸してあげる。でも次はもう少し気を使ってよね……変な気分になるから」


 ルナはくすっと笑いながら、エマの手から服を受け取った。


「気をつけるさ――多分な」

「もお! 明日にでも新しい服買ってよね」


 夜の帳が深まる中、静かな笑い声が部屋に響いた。ふたりの冒険はまだ始まったばかりだった。

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