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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第四章 ヴァルディア

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78. 見学

 ルナ(ルイ)とエマは、ルナの闘技大会への出場登録を済ませた後、受付の係員から「見学可能です」と案内を受けた。


 「少し見ていくか」とルナが軽く笑い、エマも楽しそうに頷いた。


 闘技場内を歩くと、すぐに目に飛び込んできたのは歴代の英雄たちの銅像が並ぶ広間だった。彼らの勇姿が細部まで見事に再現され、魔法の力が込められたその像たちは、静かな威圧感を放っている。


「すごい……」


 エマが一つ一つの像を見上げながら感心して言うと、ルナは無言で視線を巡らせた。そして、広間の最奥にそびえる最も巨大な像に目を留めた。


 その像は、両手に長剣を携え、背中には巨大な魔法陣の紋様が浮かび上がっていた。鋭い瞳で遠くを見据え、風を切るような躍動感のある造形。台座にはヴァリス・アルゼイドと名前が刻まれている。


 「ヴァリス・アルゼイド……」エマは小さく呟いた。


「伝説的な魔法剣士だ。剣技と魔法を融合させた技を編み出し、幾度も闇の軍勢を退けたとされている」

「そんな人がいたんだ……」


 エマが像を見つめていると、像の瞳がほんのり光ったように見え、思わず目をこする。


 広間を抜けて闘技場の中央へ出ると、広大な砂地が視界に広がった。スタンドの高みにまで続く階段状の観客席が、幾千もの目が戦いを見守る圧力を予感させる。


「ここで戦うんだね……」


 エマはその広さに圧倒されて声を漏らした。


「開催日まではまだ時間がある。少し作戦を練るか」


 ルナが足元の砂を軽く蹴り上げた。その瞬間――


「そこのお嬢さんたち!」


 陽気な声が響いた。


 振り返ると、筋肉質で豪胆な笑顔を浮かべた青年が立っていた。


「見学か? それとも出場者か?」

「私は出場者よ」


 ルナが軽く笑みを返すと、相手の目が鋭く光った。


「へえ、そうか。名を聞いてもいいか?」


 「ルナよ」と答えるルナに、エマは呆れたように心の中で呟いた。


(本当にその名前で通すつもりなんだ……)


「俺はセドリック。覚えておけ、闘技場でまた会うことになるかもしれないからな!」


 セドリックは意味ありげな笑みを残し、軽く手を振って去っていった。


「……ルイ、あの人も強そうだね」

「セドリック……面白い」


 ルナは冷静な表情の奥に、わずかな闘志を覗かせた。

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