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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第四章 ヴァルディア

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77. ルナ

 準備を終え、エマとルイは宿を出て、コロシアムへと向かっていた。


 ルイは女性の姿に変身したままだ。流れるような長い黒髪に、整った顔立ちと涼やかな瞳。誰もが振り返るほどの美しさだ。


 エマは帽子を目深にかぶり、メガネで顔を隠していた。変装をすることで人目を避けるつもりだったが、隣を歩くルイがあまりにも目立つため、逆に自分が浮いている気がしてならない。


「ねえ、ルイ……」


 エマは髪型を変えた自分の姿をちらりと見上げ、囁いた。


「なんだ?」

「やっぱり、すごく目立ってるよ……」


 エマは通りすがりの人々が振り返るのを感じ、肩をすくめた。


 周囲から聞こえてくるざわめきは止まない。


「見た? あの人……」

「信じられないくらい美しい……」


 エマは顔を赤らめながらぼそっとつぶやいた。


「変装の意味、あるのかな……」


 ルイは微笑みを浮かべ、周囲の視線をさらりと受け流す。


「心配ない。目立つのは容姿だけだ。魔力を抑えていれば、正体がばれることはない」


 コロシアムに近づくと、エマの胸の鼓動が少しずつ速くなった。すでに多くの魔法使いたちが出場登録のために列を作っている。まばらに見える紋章入りのローブや、腰に杖を差した姿がいかにも実力者たちの集まりであることを物語っていた。


「さあ、受付だ」


 ルイは堂々と歩みを進め、迷いなく列に加わった。


 順番が回ってくると、受付の魔法使いが顔を上げた瞬間、一瞬言葉を失ったようだったが、すぐに平静を装って質問を始めた。


「お名前をお願いします」

「ルナです」


 ルイは穏やかな声で答えた。


 エマはその言葉を聞いて、心の中で盛大にズッコケた。


「ルナって……うちの実家の猫の名前じゃん……」


 思わず小声で漏らした言葉に、ルイ――いや、ルナはちらりと笑みを浮かべたが、特に何も言わなかった。

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