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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第三章 グレイシャルム

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59. 才能

 夕暮れ時、エマはクローキャットのクロをリュックに忍ばせ、全身を黒のローブで包み列車に乗り込んだ。隣には、普段とは異なるシンプルなローブをまとったルイの姿がある。


「アルカナ魔法学校は、学長と教授たちが張った結界に守られている。その結界を破れる者は今のところいない。学校内は安全だが、ここから先は違う。慎重に行こう」


 ルイの言葉にエマは頷き、改めてこれからの旅路への心構えを固めた。


 目指すのはウィンドフェルド。道中は三日間に及ぶ長い旅となるが、必要な荷物はすべてインフィナイトの箱に収納済み。二人は軽装のまま、列車内の指定された個室に向かった。


 ドアを開けると、想像以上に広々とした部屋が広がっている。ベッド、テーブル、ソファ、小さなキッチン、そしてトイレとシャワールームまで完備されていた。


 エマは驚きながらも、その広さに感心している。


「こんなに広い部屋が列車の中にあるなんて、不思議だね」

「だろう? 急ぐ必要はない。しばらくリラックスして、休むといい」


 こうして、ウィンドフェルド行きの列車は静かに出発し、二人の旅が始まった。


 数時間後、エマとルイは列車のレストランルームに足を運んだ。二人は席に座り、久しぶりにゆっくりとした食事を楽しんだ。


「こうして二人で食事するの、久しぶりだね」

「確かに、落ち着いて食べるのは久しぶりだ」


食事をしながら、ルイはふと真剣な表情で話し始めた。


「エマには、魔法生物を扱う才能があるかもしれない。確証はない。ただ、今後、危険な魔法生物に出会ったとき、その才能が役に立つかもしれない」


 エマは少し驚き、何とも言えない表情でルイを見た。


「そうかな……?」

「ああ。エマのソルヴィールの色が変わっただろ? おそらくその才能に目覚めたんだろう」


 ルイは真剣に言った。


「ただ、エマはまだ自分の能力を完全に理解していない。だから、慎重に行動した方がいい」

「うん、わかった」


 そう答え、エマはふと窓の外に目を向けた。列車の車窓からは、徐々に夜の闇が広がってきていた。星空が広がり、風景がすれ違う中で、エマの胸の中にも静かな期待が芽生えていた。

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