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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第三章 グレイシャルム

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58. 出発の準備

 学長への報告を終え、エマとルイは出発の準備を整えていた。


「ルイ、まずはどこを目指すの?」

「北の果てにある都市、グレイシャルムを目指す。そこに氷の古代魔法具『フロスト・ソルヴィール』があるはずだ」

「グレイシャルム? でも、その辺りって……治安が悪くて、魔法生物も危険だって聞いたことがある」


 ルイは少し黙った後、頷いた。


「確かにな。でも、まずは途中の都市ウィンドフェルドまで列車で行く」

「ウィンドフェルドまではどれくらいの距離があるの?」

「かなり遠い。列車で数日はかかる。そこから先は、さらに険しい道のりだ。だが、急がないと『フロスト・ソルヴィール』を狙う者たちに先を越されるかもしれない」


 エマは一度考え込み、目を伏せた後に言った。


「ルイ、旅に出る前に、皆にお別れを言いたいんだけど……」


 その言葉にルイは一瞬だけ目を細めたが、すぐにため息をつき、肩をすくめた。


「さっとすませてこい」


 エマは驚いて目を見開いた後、思わず笑みをこぼした。


「ありがとう、ルイ!」

「早く行け」


 その後、エマはルミナス・カレッジに戻り、コモンルームにいた友人たちに声をかけた。ソフィア、フィン、オスカー、リリーがテーブルを囲んで笑い合っている。


 「エマ!」ソフィアがエマを見つけて手を振った。エマは少し緊張しながら歩み寄り、笑顔を作った。


「ちょっと話したいことがあるの」


 「どうした? 顔が真剣だな」とフィンが眉を上げる。


 エマは一瞬ためらい、ゆっくりと言葉を紡いだ。


「長期留学に行くことになったの……急な話でごめん」


 その場の空気が一瞬静まり返る。


 「また留学?」とリリーが驚きを隠せない様子でつぶやく。


 「どこに行くの?」オスカーが疑わしげに尋ねる。


「ごめん、場所は言えないの。でも、大切なことなの。しばらく戻れないかもしれないけど、必ず帰ってくるから」


 友人たちはしばし沈黙した後、少しずつ頷き合った。


 ソフィアがそっとエマの手を握りしめた。


「寂しいけど、応援するわ。何かあったら絶対知らせてね」


 フィンはにやりと笑い、「ま、エマなら絶対無事に戻ってくるだろうな。帰ってきたら、冒険話を聞かせてくれよ!」


 リリーは目を潤ませながら「気をつけてね」と言い、オスカーは「戻ったらまた一緒にバカ騒ぎしよう」と拳を軽く突き合わせた。


 こうしてエマは、友人たちに別れを告げ、温かな言葉を胸に刻んだ。そしてルイと共に、北の地への旅立ちの時を迎えた。

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