表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第二章 マーレディア・アカデミー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/207

55. ソルヴィール

「打撲が治ってる……ありがとう、ルイ」


 エマは腹部をそっと押さえながら微笑み、感謝の言葉を口にした。


 ルイは軽く頷くだけだったが、エマの痛みが和らいだことにほっとしている様子だった。少し沈黙が流れた後、エマが話を切り出した。


「それで……これからどうするつもりなの?」


 その問いに、ルイは窓の外へ一瞬視線を向けた後、深く息をついた。そして、ゆっくりと口を開く。


「俺は……レクス・ソルヴィールを破壊しようと思っている」


 エマの瞳が大きく見開かれる。驚きと困惑が入り混じった表情だった。


「破壊するって……どういうこと?」


 ルイは冷静な声で続けた。


「すぐにじゃない。他の古代魔法具であるソルヴィールをすべて破壊した後にだ」


 エマはさらに混乱しながら彼を見つめる。その反応を見たルイは、少し柔らかな声で説明を始めた。


「フェルマール家は、ソルヴィールを作った一族なんだ。俺の先祖たちは、魔法界と人間界が共存し、お互いを支え合って生きていく世界を目指していた。そのためにソルヴィールを作り出したんだ」


 エマは言葉を失ったまま彼の話を聞き続ける。


「その一番最初のソルヴィールが、レクス・ソルヴィールだ。魔法界と人間界を一つにし、調和を保つためのものとして生み出された。他にも、人間界でエネルギーが絶えないように火の力に特化したソルヴィールを、水がなくならないように水の力に特化したソルヴィールをと、新しいソルヴィールを次々に作り出していった。ただ……」


 ルイの言葉が一瞬途切れる。その目には苦しみが宿っていた。


「魔法界で誰もが持っている普通のソルヴィールと違い、それらの古代魔法具は膨大な魔力で作られている。扱う人によっては災いをもたらす存在となってしまった。この世界の脅威だ。それが俺の一族の罪でもある。だから、俺はすべての古代魔法具を破壊したいと考えているんだ」


 エマは、その話を聞くうちに胸の奥が熱くなるのを感じた。彼の決意は痛いほど伝わってきたが、それでも納得できなかった。


「そんなのおかしいよ!」


 エマは声を張り上げ、ルイをじっと見つめた。


「そんなに素晴らしい考えのもとで作られたものなのに! 確かに危険かもしれないけど、それを破壊するなんて……」


 ルイはエマの強い反論にも動じることなく、彼女の言葉を受け止めていた。


「古代魔法具を集めるのは賛成。でも、それをどうするかは、全部集めてから考えようよ」


 エマの声は少し震えていたが、その目には強い意志が宿っていた。


「それに、それはあなたの一族の大事な形見でもあるでしょ? 簡単に壊していいものじゃないよ!」


 ルイはその言葉に少し驚いたように目を細めたが、何も言わずエマを見つめ返した。その瞳の奥で、何かが揺らいでいるのがわかる。そして、静かに口を開いた。


「そうだな。まだ時間はある」


 その言葉に、エマはほっとしたように微笑んだが、ルイの表情は依然として真剣だった。


「まずは、他の古代魔法具の場所を調べる必要がある。父が残した文献と、レクス・ソルヴィールの力を使えば、大まかな在り処がわかるはずだ。ただ……少し時間がかかるかもしれない」

「文献とレクス・ソルヴィール……?」


 エマは首を傾げながら尋ねる。


「父は、生前に古代魔法具の可能性や用途について膨大な研究をしていた。場所や特徴についても記録が残されている。ただ、それだけでは不完全だ。レクス・ソルヴィールがあれば、古代魔法具同士がわずかに放つ共鳴を感じ取れる。それを頼りに特定していくつもりだ」


 ルイはそう言いながら、机の上に置かれた小さな木箱に視線を向けた。


「インフィナイトの箱に、父の文献を隠してある。少しずつ正確な位置を突き止めていくさ」


 エマはその説明に頷きつつ、「私も力になれるかな?」と尋ねた。


 ルイは真剣な顔つきでエマを見つめた。


「エマには、魔法をさらに鍛えてほしい」

「魔法を?」

「これから先、古代魔法具を探す旅は危険だ。特に、俺たち以外にもそれを狙う者たちがいる。戦闘になる可能性も高い。エマが自分の身を守れるように、もっと魔法を磨いてほしいんだ」


 ルイの言葉に、エマはしばらく考え込むような顔をしていたが、やがて真剣な表情で頷いた。


「わかった。私も強くなるよ」

「頼む。俺もできる限りのことをする」

【御礼】

ここまで読んでいただきありがとうございます!


また、ブクマや評価してくださった皆様、本当にありがとうございます!


今後も頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ