47. 謎
マーレディア・アカデミーでのボールパーティにも参加し、エマの留学期間は残り一週間となった。
「あれ? なんだろう……」
エマは自室のテーブルの上に置かれた一通の魔法の手紙を見つけた。学長からのもので、その内容にエマは驚きの表情を浮かべた。
手紙には、留学期間の延長について記されていた。しかし、その理由は書かれていない。
「どうしてだろう……」とエマは首をかしげながら、手紙を手に持ったまま考え込んだ。
そのまま廊下を歩いていると、学び舎の壁に掲示された魔法界の新聞が目に入った。思わず立ち止まり、手に取ってページをめくる。
その記事には、アルカナ魔法学校の学長が行方不明になったという衝撃的なニュースが掲載されていた。エマの心は急激に高鳴り、手が震えた。その隣には、アルカナ魔法学校で魔法連盟が特別授業を行っているという、さらに衝撃的な内容が載っていた。
「学長が行方不明……? それに、魔法連盟が特別授業?」
エマは驚きと不安を感じながら、記事を食い入るように読んだ。アルカナ魔法学校で一体何が起こっているのか、そして、なぜ自分の留学期間が延長されたのか、すべてが謎に包まれていた。
エマは急に決心が固まった。自分にはアルカナ魔法学校に戻り、何が起こっているのか直接確かめる必要があると感じた。
迷いはなかった。エマは素早く荷物をまとめ、翌日の朝にはアルカナ魔法学校へ向かう決意を固めた。
翌朝、エマは急いでマーレディア・アカデミー発の船着場に向かった。しかし、スタッフから予想外の言葉を聞かされる。
「申し訳ありませんが、アルカナ魔法学校行きの船は現在出ていません」
スタッフの冷たい言葉に、エマは一瞬言葉を失った。
「でも、私は急いでアルカナ魔法学校に戻らなければならないんです」
エマは焦りながら必死に説明したが、スタッフは首を横に振る。
「現在、運航が停止しているんです」
スタッフの冷静な返答に、エマの心はどんどん焦っていった。
「どうしよう……」
エマは肩を落として途方に暮れていた。その時、背後から聞き覚えのある声が響いた。
「どうした?」
振り返ると、そこにはノアが立っていた。
「ノア……! 実は、アルカナ魔法学校行きの船が出ていないって言われて……でも、どうしても戻りたくて」
エマは困惑し、焦りが滲んだ表情で説明した。ノアは一瞬考え、そしてにっこりと笑って言った。
「それなら心配いらないよ」
そう言うと、ノアは腕を広げて、空を見上げる。次の瞬間、ノアの手のひらから水の魔法が放たれ、足元に美しい水の船が現れた。船は水でできており、透明な波が船体を包んで、まるで生きているかのように揺れている。
「これでアルカナ魔法学校まで送っていくよ」
ノアはエマに向かって笑顔を見せ、手を差し伸べた。
「本当にいいの……? ありがとう、ノア!」
エマは感激しながらその手を取ると、ノアの作った水の船に乗り込んだ。
船はまるで風を切るように、猛烈なスピードで進んでいった。水の船は波を切り裂くように滑るように進み、エマはその速さに驚きながらも、ノアとともに一気に海を横断する感覚に身を委ねていた。
ノアは落ち着いた様子で、水の魔法を操りながら、エマを目的地へと導いていった。その水の船は、まるで魔法そのものであるかのように、ただひたすら進み続けた。




