38. アルカナ・ユニオン
エマがルミナス・カレッジに戻ると、コモンルームではソフィア、フィンと、同級生のオスカー・レンフィールド、リリー・アーベルの四人が魔法のトランプに熱中していた。
「エマ、疲れた顔してどうしたの?」
ソフィアがカードを片手にエマを見上げた。
「色々あってね……」
「ふーん、まあそんなことより、一緒にトランプしましょうよ!」
「……うん、次のゲームで入れて」
エマは微笑みながら椅子に腰掛け、少しずつ疲れがほぐれていくのを感じた。
「ところでさ、聞いたか?」オスカーが顔を上げ、皆に向けて声を張り上げた。「来月、アルカナ・ユニオンに魔法連盟のアレクサンドラ・ヴァレンスが来るらしい!」
「え、本当?」ソフィアが驚いた顔をする。「さすがアルカナ・ユニオンね。魔法界で最も影響力のあるディベート団体だけあるわ」
「すごいよな!」フィンがトランプをシャッフルしながら話を続けた。「しかも、ヴァレンスがディベートに参加する可能性もあるって噂だぜ。これは見逃せないだろ!」
「エマも行くよね?」リリーが優しく尋ねた。
エマは一瞬言葉に詰まったが、意を決して答えた。
「行きたいけど……実は私、短期留学に行く予定なんだ」
「短期留学?」ソフィアが驚いてカードを落としそうになった。「どこに行くの?」
「マーレディア・アカデミー。学長に言われてね。もっと対人魔法を鍛えたほうがいいって」
「えーっ! 寂しくなるじゃん!」フィンが大げさに肩を落とした。
「でも、それってすごいことよ」リリーが目を輝かせながら言った。「あの学校で学べるなんて、貴重な経験になるわ」
「そうだな、帰ってきたら俺たちにも新しい魔法を教えてくれよな!」オスカーが笑顔でエマに言うと、場の雰囲気が少し和らいだ。
エマは皆の温かい反応にほっとし、疲れた顔の中にも自然と笑顔が浮かんでいた。




