33. 打ち上げ
ウィザード・ボートレースが開催された日の夜、エマ、ソフィア、フィン、カイの4人は、街外れにある歴史的なパブ「リバーサイド・ターヴァン」の一角に集まっていた。
このパブは古い石造りの建物で、隠れ家的な雰囲気が特徴だ。石畳の床と低い天井、壁を飾る古い写真や地図が、訪れる人々に特別な時間を提供している。彼らは木製のテーブルを囲み、温かな雰囲気の中で食事を楽しんでいた。
「それにしても面白かったな、ボートレース!」フィンが興奮気味に話す。
「まさかリアナたちが優勝するなんて。最後のあの精霊の動き、圧巻だったわよね」とソフィアも微笑む。
「来年は俺たちも出場してみようぜ!」と、フィンが意気込む。
「フィン、そんなこと言って、川に落ちるのがオチじゃないか?」カイが冷静に突っ込み、みんなが笑い出す。
そのとき、エマの後ろのほうから、他の学生たちの会話が耳に入ってきた。
「ねえ、あれ、アーク・カレッジの4人じゃない?」
「ほんとだー! ルイ様もいる!」
「やっぱりルイ様が断トツよね」
「でも他の3人は名家のご出身なのに、ルイ様だけ全然聞いたことない名前なのよね……ブラウンだっけ?」
「名家じゃなくても、リアナ様とお似合いじゃない?」
「確かにー! 付き合ってたりしないのかな〜? 気になるー!」
エマが店の奥をちらりと見ると、そこにはアーク・カレッジの学生が集まり、ボートレースの祝勝会を開いている様子だった。リアナとヴィクター、そしてルイともう一人の学生が笑顔で会話を交わしながらテーブルを囲んでいる。
(ルイももうすぐ17歳か……学校生活なんだかんだ楽しんでるんだなあ)
エマは静かに微笑むと、目の前の仲間たちに意識を戻した。ソフィアが注文したチップスをシェアしようとしているのを見て、エマも手を伸ばした。
「ほら、エマも食べなさいよ。冷めちゃうわ」
「ありがとう、ソフィア!」
彼らの笑い声とともに、パブの温かな光が心地よい夜を彩っていた。




