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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第二章 マーレディア・アカデミー

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32/207

32. 勝者

 ボートレースがスタートし、各選手はそれぞれ魔法を駆使し、急流の川を進んでいく。魔法でボートの速度を上げる者、防御魔法で水しぶきを防ぐ者、さらには魔法精霊を召喚して相手を妨害する者など、戦略は多種多様だ。


「すごい! 一瞬で差がついてる!」


 エマが上空のモニターを見ると、そこにはレースリーダーとなったノア・リヴァースとそのペアであるカイラ・シーブルーが映し出されている。


「さすが! 水魔法で川の流れを上手く操っているね。 でも、アーク・カレッジのリアナたちも負けてないよ!」


 カイも興奮した声で叫ぶ。


「リアナの精霊が水流を切り裂いてるわ!」


 ソフィアが指差した先では、リアナが青白い光の精霊を指揮し、波をまっすぐ切り裂きながら加速していた。


 一方、コース中盤では混戦が続いていた。狭い峡谷に差し掛かった選手たちが次々と魔法を放ち合い、熾烈な攻防を繰り広げている。


 そのとき、突然モニターに映る映像がざわめき始めた。峡谷に潜む魔法生物が目を覚まし、巨大な触手が水面を覆い始めたのだ。


「ここで巨大魔法生物の登場です! コース最大の難所、さあどう切り抜けるのか!?」


 実況のエリオが興奮気味に叫ぶ。


 魔法生物は巨大な触手でコースを塞ぎ、次々と選手たちを妨害している。一方、ノアとカイラは、精霊で巨大な水の盾を作り出し、触手を弾きながら安全に進んでいく。


「すごい……でも、見て! リアナが直接触手を切ってるわ!」


 ソフィアが興奮して叫ぶ。リアナは精霊と共に触手を切り裂き、力づくで突破している。


「これが本物の実力者ってわけか……!」


 フィンも驚きを隠せない。


 他の選手たちは次々と触手に弾き返され、脱落していく。エマは再びモニターに目を向けた。


「見て! リアナとヴィクターが先頭だわ!」


 画面にはリアナが魔法精霊と息を合わせ、ノアたちを一歩リードしている様子が映し出されていた。リアナの集中力と精霊の動きは完璧で、まるで水面を滑るように進んでいく。


 川の最終セクションに差し掛かる二組の選手。ここからが本当の勝負だ。最後の直線には、大量の魔法障害物が配置されている。火、水、風、土の属性が入り乱れる過酷なコース。


「さあ、いよいよクライマックスです! どちらが勝利を掴むのか! 皆さん、応援よろしくお願いします!」


 実況のエリオが声を張り上げると、会場はさらに盛り上がりを見せた。観客たちが声を合わせて応援する中、エマも拳を握りしめた。


「頑張って、リアナ! ヴィクター!」


 最終セクションに突入すると、観客席の歓声は最高潮に達していた。


「最後のセクションは、すべての属性を駆使した複合障害コース! ここで真の実力が試されます!」


 実況のエリオが叫ぶ中、リアナは小さな精霊に指示を出した。精霊が風の竜巻を巻き込むように進むと、障害物がまるでリアナを避けるかのように消えていく。


 一方、ノアも水魔法で空中の火球を打ち消しながら進む。冷静で大胆な判断力はさすがの一言だ。モニターには二組がほぼ並走している姿が映し出されていた。


 ゴールまであとわずかという地点で、ノアが大技を仕掛けた。彼の精霊が巨大な水の波を作り出し、リアナたちのボートに向かって押し寄せる。


「これで決める!」


 ノアの声が響き、観客席も息を飲む。


 だがリアナは怯まなかった。


「やらせない!」


 彼女は精霊を指揮し、波を一瞬で切り裂くような鋭い水流を生み出した。その結果、ノアの波は無力化され、逆にリアナとヴィクターのボートが一気に前に出た。


「リアナとヴィクターがリードした! これはすごい!」


 実況のエリオが興奮した声を上げる中、リアナとヴィクターは最後の直線で全力を出し切り、精霊の力を借りてゴールラインを突破した。


「優勝はリアナ・ヴェイルとヴィクター・クロウフォード! アーク・カレッジに輝かしい勝利をもたらしました!」


 エリオの声と共に、会場全体が拍手と歓声で包まれる。ゴール後、リアナは精霊をそっと撫でながらボートの上で微笑んでいた。


 ノアたちもすぐにゴールし、リアナに向かって手を差し出した。


「完敗だよ」

「ありがとう、ノア。あなたの波、すごく怖かった」


 二人は互いの健闘を称え合い、固い握手を交わした。


「やった! リアナとヴィクターが勝った!」


 エマが歓喜の声を上げ、フィンとハイタッチを交わす。


「すごいレースだったな! あれこそ魔法使いの本気だ!」


 フィンも興奮した表情でモニターを見つめる。


 表彰式では、リアナとヴィクターに優勝トロフィーが手渡され、会場全体が盛大な拍手で包まれる。トロフィーを掲げたリアナは誇らしげで、観客たちに笑顔を見せた。


 こうして、第365回ウィザード・ボートレースは幕を閉じた。

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