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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第一章 アルカナ魔法学校
24/207

24. 対決

 ある日の夜、エマはアルカナ魔法学校内の図書館での勉強を終え、ルミナス・カレッジへと向かって歩いていた。


 薄暗い道を進む中、月明かりの下にひとりの影が浮かび上がる。フードを深く被った学生が、エマの行く手を塞いでいた。


 レガリア・カレッジの紋章がついたローブを身にまとっている。


「……誰?」


 エマが問いかけると、謎の学生は無言のまま杖を向けた。


「イグナイト!」


 杖の先から放たれた赤い閃光が、燃え盛る炎となってエマに向かって飛んでくる。


「きゃっ!」


 エマはとっさに身をひねり、近くの木陰に身を隠した。肌に感じる熱気が、危険な状況を物語っていた。


「何をするの……!」


 しかし、返事はなく、謎の学生は再び杖を構えた。容赦のない攻撃が続き、エマは必死に身を伏せる。


(どうしてこんなことを……誰か……ルイ、助けて……!)


 心の中でそう叫んだ瞬間、エマが髪に留めている髪飾りが淡い金色の光を放ち始めた。その光は次第に強まり、エマの周囲に広がっていく。


「……何?」


 光はエマを包み込むように輝き、次の瞬間、見えないシールドとなってエマを守った。謎の学生が放った炎が、目に見えない壁に衝突し、弾け飛んだ。


 その時、静寂を裂くようにだれかの声が響いた。


「エマ! 大丈夫か!?」


 カイが駆けつけ、杖を振り上げる。強烈な風が巻き起こり、謎の学生は後方に吹き飛ばされた。フードが外れ、その顔が露わになる。


「あ……あの子……」


 エマは驚きの声を漏らした。


「入学式の日に……人間の悪口を言ってた子……」


 エマはその場にへたり込みそうになる。だが、次の瞬間、カイが彼女のそばに駆け寄り、そっと肩を抱いた。

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