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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第一章 アルカナ魔法学校
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20. 強い味方

「君、人間だよね? 入学式の日に、広場で見かけた時から気づいてたよ」


 その言葉に、エマは一瞬固まったが、カイには敵意を感じられなかった。


「そっか……あの日、私が人間だとわかってたんだね」


 エマは冷静になろうと努め、少し肩の力を抜いた。


「君が人間だからって、何も悪くはない。君には、この学校にいる資格がある」

「でも、私がここに来たことで、皆に迷惑をかけてるんじゃないかって思って……」


 エマは小さく呟きながら、目を伏せた。


「それは違うよ。君はただ、ここで学んでいるだけ。君が自分を責める理由なんて無い」


 エマはしばらく黙っていたが、カイの言葉に少しだけ心が軽くなったような気がした。しかし、心の奥には依然として不安が残っている。


「約800年前、ファルディオン家は魔法使いによる人間界の支配を止めたが、それは結果として魔法界と人間界の分断を生んだ。君が差別的な発言を受けるのは、僕たちファルディオン家の責任でもある。もし君が襲われそうになったら……」


 カイは静かに言った。「必ず守ってみせる。君には、もう何も心配させない」


 そう言って、カイはそのままエマに微笑みかけ、ゆっくりと足を踏み出した。


「今度僕のカレッジにも招待するよ。それじゃあ、またね」


 カイは軽く手を振ってから、夜の静けさの中に消えていった。エマはその後ろ姿を見送ると、心の中に少し温かい感覚が残り、少しだけ笑みを浮かべた。

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