表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第一章 アルカナ魔法学校
16/207

16. コモンルームでの噂話

 セレスティアムでの式を終え、エマやソフィアは、他の新入生たちと一緒にルミナス・カレッジのコモンルーム――カレッジ内の共有ラウンジ――に戻った。コモンルームは高い天井と暖かな照明が特徴で、壁一面には歴代の卒業生の肖像画が並び、中央には大きな暖炉がゆらめく炎を灯している。柔らかなソファが配置された部屋には、どこか安心感が漂っていた。


「いやー、すごかったな、あのセレスティアムの空間!」

「あの星空みたいな天井、どうやって作ってるんだろう?」


 周囲の学生たちは興奮気味に話している。


 エマもソフィアと一緒に暖炉の近くのソファに腰を下ろし、ようやく一息ついた。


 「でもさ、カイ・ファルディオン、本当にカッコよかったよね!」隣に座っていた同級生が声を上げた。


 「うん、あの堂々とした感じ、さすがファルディオン家だよね!」別の同級生が同意するように頷く。


 「確かに。あんなに冷静で毅然とした態度、普通の学生じゃ真似できないよ」とソフィアも感心した様子で言った。


 エマは、カイの毅然とした姿と一瞬自分に向けられた笑顔を思い出し、胸が少しざわつくのを感じた。


「確かに、彼はすごい人なんだな……」


 すると、別の話題が浮上した。「そういえば、噂だけど、今年は推薦で入学した新入生がいるらしいよ」


 「推薦?」エマが聞き返すと、隣の少女が得意げに説明を始めた。


「そう! アルカナ魔法学校には、推薦合格って制度があるの。でも誰かを学校に推薦できるのは、アーク・カレッジの人だけなんだよ」


 「アーク・カレッジって……あの一番高いところにある建物の?」ソフィアが驚いたように尋ねる。


「そう。アーク・カレッジの教授か学生に推薦状を書いてもらえれば確実に合格って聞いたよ。でもアーク・カレッジの人が推薦状を書くなんて滅多に無いから、もし本当なら余程優秀な魔法使いなんだと思う」


 その言葉を聞いて、エマの頭にある人物が浮かんだ。ルイ。


(推薦合格って私のことだし、ルイってアーク・カレッジ所属だったの……!?)


 「あれ? エマ、何か知ってるの?」ソフィアが首をかしげる。


 「いや、なんでもないの」エマは笑顔でごまかしたが、心の中はざわついていた。


「アーク・カレッジか〜。卒業までに一度はカレッジの中を見てみたいよね」


 学生たちの呟きはいつしか憧れ話へと変わり、次々に夢や期待が語られていく。


 けれど、エマはそれを聞きながらも、自分が聞いた情報の重大さに胸の鼓動が速くなるのを感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ