147. 女戦士
「お前たち、ここで何をしている?」
デア・ラキーナの方から飛来した女性たち三名が杖を構え、ルナたちを鋭い視線で睨む。
「デア・ラキーナへ入国させてほしい」
ルナが落ち着いた声で答える。
「部外者の立ち入りは禁じられている!」
先頭の長身の女性が、警戒を強めながら杖を握る手に力を込めた。
「見学も許されないのか?」
ニヴェラが軽く肩をすくめながら言う。
「デア・ラキーナで永住する意思があるのであれば、許可は下りる」
「本当か――」
「ただし!」
ニヴェラが喜びかけた瞬間、女性が厳しい声で遮った。
「デア・ラキーナへの永住権を得られるのは、十二歳未満の者のみだ。それ以上の年齢の者は受け入れられない」
「十二歳……?」
エマが思わず反応する。
「そうだ! デア・ラキーナは、魔法界や人間界の孤児たちを受け入れ、強き女戦士へと鍛え上げてきた。しかし、それは幼いうちから鍛錬を積む者に限られる!」
「私はすでに強い。その辺の女戦士には負けんぞ」
ニヴェラがニヤリと笑い、挑発するように言った。
「ならば試してみるか?」
長身の女性の唇がわずかに吊り上がる。
「デア・ラキーナの女戦士十名と戦い、全員に勝てば、お前たちを国内に案内してやろう。この国では、強き者こそが上に立つ。 強さを証明した女は歓迎する」
「面白いな、やってやる」
ニヴェラが自信たっぷりに応じた。
「私はニヴェラ。こいつはルナとエマ。永住権に興味があるのは私だけだが、彼女たちは私の仲間だ。私が勝ったら、一緒に中を案内してくれ」
「いいだろう。ついてこい!」
女性が背を向け、ほうきで先導するように飛び始める。
ルナ、エマ、ニヴェラは顔を見合わせ、彼女たちの後を追った――。