13. 魔法の精霊
「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私はイザベル・ヴァレンティ。ルミナス・カレッジで精霊魔法を研究しています」
ルミナス・カレッジの教授が講堂の中央に立ち、静かな空気が教室を包み込む。その空気はまるで時が止まったかのように感じられ、全ての目が教授に注がれていた。
「今日は皆さんに、魔法精霊を授ける儀式を行います」
教授の低く響く声が、広い教室の中に静かに響いた。
教授が手を広げ、集中的に魔力を放つ準備を整えると、教室の空気がひときわ重くなった。エマは目を閉じ、呼吸を深くする。
「ヴィラニウム」
教授がその呪文を唱えると、教室の空間が揺らぎ、まるで風が舞い散るような、目に見えない力が広がった。次の瞬間、教室のあちこちに小さな光が現れ、それぞれの学生の前に浮かび上がる。
「見て!」ソフィアが興奮した声を上げ、エマもその方向に目を向けた。目の前に、透き通った羽を持つ小さな精霊が浮かんでいるのが見える。ソフィアの肩には、明るい青色の精霊が軽やかに飛んでいる。
エマも自分の前を見つめた。そこには、柔らかな光を放ちながら、犬型の魔法精霊が浮かんでいるのが見えた。優しい目をした小さな犬の姿だ。エマが手を伸ばすと、その精霊は嬉しそうにしっぽを振りながら、ふわりと近づいてきた。
「これが、あなたたちに授けられる魔法精霊です。この精霊たちは、あなたたちの力となり、道を照らしてくれるでしょう。彼らと共に、魔法を学び、成長しなさい」
エマはその言葉を胸に刻みながら、自分の精霊を見つめた。その精霊は、まるでエマの心を感じ取ったかのように、優しく彼女の手に足をかけてきた。温かい感覚が伝わり、エマは思わず微笑んだ。