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エマと魔法使いのレオン 〜魔力を与えられた少女〜  作者: 希羽
第六章 エルドラの迷宮森
129/207

129. 豪華客船

 水上都市リュミナールを出発する日、ルディアンに見送られながら、エマ、ルイ、そしてニヴェラは船に乗り込んだ。


「大きい船だね!」


 エマは初めての豪華客船に目を輝かせて言った。


 「ルディアンが手配してくれたんだ」と、ルイは遠くにいるルディアンに手を振りながら答えた。


 「レストランに魚料理あるかな……」とニヴェラは、少し期待を込めてつぶやいた。


「心配いらない。インフィナイトの箱で長期間冷蔵保存できるようにしておいた。リュミナールの魚もたくさん購入してある」

「ほんとか!?」


 ニヴェラは珍しく満面の笑みを浮かべて答えた。


 (出会ったときはあんなに怖かったのに……)と、少しずつ打ち解けてきたニヴェラの姿を見て、エマは思わず微笑んだ。


 船に乗り込んだ後、エマたちは船内の部屋へと向かった。


 部屋に入ると、広々としたリビング、ダイニング、キッチンがあり、両サイドには寝室とバスルームが完備されていた。


 入って左手の寝室とバスルームをニヴェラが、右手の寝室とバスルームをルイとエマが使うことになった。


 「俺は少し調べたいことがあるから、インフィナイトの箱に籠もる。船内を散策するなら、エマと一緒に行動してくれ」とルイがニヴェラに言った。


 「私にガキの子守をしろって?」とニヴェラは少し不満そうに言う。


 「エマは、お前が思っているほど子供じゃない」とルイは答えた。


「まあいいだろう。行くぞ」

「あ、うん」


 こうして、エマはニヴェラと一緒に船内を見て回ることになった。


「……手でも繋ぐか?」

「いや……大丈夫」


 ニヴェラの気遣いに、エマは苦笑いしながら答えた。


(そういえば、ニヴェラにまだ私の本当の年齢を伝えてない……)


 船内には、客室エリアを抜けると広々としたショップエリアやエンターテイメントエリア、レストランエリア、室内プールや温泉など、豪華な施設が揃っていた。


 ニヴェラもエマも、「おお〜!」と目を輝かせながら周囲を見渡した。


 エンターテイメントエリアでは、美女たちが可憐なドレスを着て、魔法の音楽を奏でている。


 「あとでルイと一緒にレストランに行ってみよう!」とエマが提案した。


 「そうだな!」とニヴェラも上機嫌で答えた。


 エンターテイメントエリアを抜けようとした際、周囲から話し声が聞こえてきた。


「魔法連盟の支部がいくつか反乱軍によって壊滅されたらしいぞ」

「嘘でしょ?」

「本当さ。まだニュースにはなっていないが……戦争だな」

「やだ、怖い……」


(反乱軍……ついに動き出したんだ……)


 エマは心の中で呟いた。


(本部を襲撃する時、ルイも呼ばれるのかな……)


 その思いが、胸の中で重くのしかかった。

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