90、アメリア公国大図書館司書エマの苦悩~異世界?旦那ちゃんと嫁ちゃん~
異世界?
ここはアメリア公国、大図書館の地下にある書庫である。
司書エマは、いつものように灯りのついた燭台をテーブルに置くと、執筆をはじめた。
(今日は書けそうな気がする)
走るペンに、エマは心を躍らせた。
ジパングにおけるダンナ=チャーとヨメ=チャー夜のお営み 作エマ=プライド
ジパングの夏は熱い。だが、これから2人はさらにアツいことをしようとしていた。
ほとばしる汗、乱れる吐息、とろける瞬間はもうそこにある。
ダンナは熱い眼差しで、ヨメを見つめる。
彼女は、恥じらいを帯びた表情で上目遣いに、彼の熱い眼差しに答える。
くんずほぐれつ。
2人はひとつ。
熱風が過酷な状況が、生存本能を呼び覚まし、深い深い欲望を覚醒させる。
「もう、がまんできない!」
「私もっ!」
あとは本能に身を任せるのみ、束縛するものなど何一つないのだから。
ジパングの夏。
怒張の夏。
物語がはじまる。
「うりゃあ!」ヨメ。
「わーん!」ダンナ。
ヨメは夏を涼む。
ダンナはそれを悔しがる。
「オデのブラックモンブラン(ご当地アイス)・・・食ったな~」
「ひゃっこい、おいちーい!」
「楽しみにしてたのにー」
「早い者勝ちよ・・・この前、私のアイス勝手に食べたでしょ」
「くっそー!こうなれば、俺のブラックモンブラ・・・」
「言わせねーよ!じゃねーし」
「うわーん!」
ことり、エマはペンを置き、「ふう」と溜息をつく。
後日、彼女は公国王代理のヒルダに、この官能物語を読ませ感想を求めた。
「これは・・・スランプかしら」
ヒルダはぽつり。
「ねぇ」
エマは納得と頷いた。
官能文豪?エマの苦悩。