79、ユニコーン~ハイファンタジー~
あれ?
それは伝説の神獣と呼ばれるユニコーン。
白い馬の額には雄々しい一角、背には大きな翼が生えている。
遥か古の時代。
大いなる山の麓、丘陵の草原でユニコーンは草を食んでいる。
その姿を見た瞬間、彼の心は震えた。
願わくば、その伝説の神馬にまたがり、空を世界を駆けまわりたいと。
そっと彼は近づく・・・というより、引き寄せられるかのように一歩一歩進む。
神馬知ってか知らずか、ちらりと彼を一瞥する。
ユニコーンと目が合い、彼はびくりと立ち止まる
ブルルル。
神馬は鼻をならすと、再び草を食みはじめた。
ほっと胸を撫でおろし、彼は迷う。
だが、彼の足は無意識の内に引き寄せられる。
驚くかな・・・だけど、俺は・・・。
気づくと、ユニコーンとの距離は、彼の手の届くところとなった。
ヒヒーン!
大きないななきと共に、神場の前足を高々とあげた。
彼は咄嗟に神獣の後ろに回り込むと、地を蹴って飛びあがった。
ユニコーンの首を両手で掴んで、その背に跨った。
異物を乗せたことで驚き暴れる神馬。
離さない、ぜったい!
走る、跳ねる、飛びあがる。
離さない、俺はお前に惚れたんだ!
ヒヒーン!
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
ユニコーンと共に空を駆ける彼。
どこまでも、どこまでも。
空から世界を見下ろし彼は言った。
「そうだ。お前の名は松〇、〇風だ!」
と。
あれれ?