№73 奥さんと柳川に行く 後編 ~エッセイ・どたばた風~
さほど・・・。
食事を終えた私たちは、再び車に乗り、日吉神社へ向かいます。
「次は椛島菖蒲園に行くよ」
「そこって、しょっちゅう仕事中に通るとこでしょ」
「今が見頃なのよ。仕事じゃゆっくり見れないでしょ。それにあなた見たことないでしょ。綺麗だから是非見て欲しい・・・ま、君の美しさには・・・」
「ふーん」
「って、人の話は最後まで聞け」
そんな感じで2人は、神社の駐車場に車を停め、少し歩きます。
大通りの歩道橋を渡り、水辺の散歩道を行けば、向かい側に椛島菖蒲園が見えます。
「どうだい」
「・・・まあ、綺麗ね。でも、目の前、掘割挟んでるじゃん。どうせなら、菖蒲園内に行った方がよくなかった?」
「ぐぬぬぬ」
「爪が甘いな」
「いや、こっからの景色を見たかったんだもん」
「へー」
色とりどりの菖蒲の花が咲く園を見た後、日吉神社にお参りをして再び車に乗り込みます。
「私、ユニクロに行きたいな」
「ちょいまち、ミステリーツアーはまだ終わらんよ」
「どこが、柳川じゃん」
「・・・ばってんが、来たことないとこばっかやろうもん」
「(柳川)飽きた」
「うん、気持ちは分るけど、もうちょっと付き合ってちょ」
「よし!」
「ありがとうって、おいっ!」
車を運転する私は柳川市立図書館で停めます。
「はい、この図書館には水の資料館があります。ただでございます」
「ふーん」
「興味ないか」
「ない」
「潔し」
「うん」
ざっくりと、館内を見渡して、柳川駅近くのゆめモールへ。
ユニクロとABCマートを見た後、コメダ珈琲を指さす私。
「帰ろう」
と奥さん。
「えー、シロノアール!食べんでいいの」
「お腹いっぱい」
「じゃコーヒーは」
私は食い下がります。
「それより(大牟田の)スーパーで買い物しなくっちゃ」
「ゆめマートあるじゃん」
「特売日なの」
「・・・・・・」
「撤収」
「・・・♪デーン、スチャラッチャ、スチャラッチャ、スチャラッチャ、チャチャチャ♪」
私はドリフ全員集合の場面転換で使われる「盆回り」を口ずさみ、車を走らせましたとさ。
ドタバタではない(笑)。