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№67 解き明かせ謎の文~伊武受雷の受難~
なにもない白い紙には・・・。
この文を解読せよ。
白紙の最後にただ一言だけ、そう添えてあった。
伊武受雷はただの白い紙に手をあて、静かに目を閉じる。
「・・・ダイブ」
数分後、首を傾げる受雷。
「何か分かった」
相棒の真美が声をかける。
「・・・いや」
彼は首を振った。
「なんらかの事件性はないのかね!」
血気盛んに聞く丸出警部に向かい、受雷は苦笑いを見せた。
「これは・・・なにもない」
「なにもないって?」
訝しがる真美。
「火であぶったり、水につけたりしたら、なんかあるんじゃないのか」
丸出警部が言う。
受雷は薄っすらと笑う。
「これは・・・おふざけですよ」
「おふざけ?」
「そう、この紙はただの白紙・・・すなわち!」
ごくり2人の喉が鳴る。
「作者の暇つぶしによる。おふざけっ!」
「アッチョンブリケ!」
真美と警部の叫び声がこだまする。
なんにもありませんでした。