№63 夢のお話を導入にしてみる「あくまっいんきゅ♡契約」~ローファンタジー~
導入部分としてはアリ・・・のような。
俺の名前は、佐伯光23歳の新進気鋭の作家だ。
ついに俺の作品が、書籍化され文壇デビューとなる。
今日は俺の渾身の処女作「いんきゅばすっ!~俺と淫魔の眠れぬ日々~」の発売日、本当に書店に並んでいるのか、はやる気持ちを抑えられず、書店の開店一時間前の駐車場にいる。
えっ、エロ小説?って、何が悪い。エロは世界を救うんだ!エロは素晴らしいものなんだ!エロを笑うヤツは本当のエロを知らないヤツなのさ。
一種、開き直りにも似た境地に俺はいる。
俺だって、普通にデビューしたいよ。
だってそうじゃないか。誰だって・・・。
なんて自問自答していたら、いつの間にか店は開店していた。
ヤバい、ヤバい、この妄想癖は・・・。
もたついた俺だが、結局最初の客となった。
えーっと、エロ・・・官能小説コーナーはっと・・・。
俺は鬼の形相血眼必死のパッチで、本棚を見つめる。
・・・ない・・・ない。
やっぱり。
所詮俺の書いたエロ小説はドマイナー作品、街の本屋になんてあるはず・・・。
「あの・・・」
ポニーテールのメガネっ子、おっぱい大きめの店員が声をかけて来た。
「佐伯光さんですか?」
おもむろに聞く彼女に、
「はい」
「やっぱり!じゃ、サインしてください、これっ!」
彼女が両手を持って差し出したのは、俺の本「いんきゅばすっ!~俺と淫魔の眠れぬ日々~」だった。
「あっ!はい!」
天にも昇る気持ちとはこのことだ。
エロ小説で恥ずかしくないのか・・・馬鹿いうな俺はこれで、商業小説家の一歩を踏んだんだぜ。
サラサラ。
俺は練習したとっておきのサインを・・・。
ん。
ん?
んんん?
悪魔淫魔契約書だとう!
「ふふふふふふふ」
突然、メガネっ子が笑いだした。
「佐伯光よ。これにて我との契約完了だ。淫魔いんきゅとの契約・・・はははははははは」
高らかに笑う彼女。
世界が暗転する。
彼女いんきゅの服がはだけ、ぼんぼんぼーん!黒のボンテージ姿に闇の翼、キュートなお尻に♡のついた尻尾となり、真の姿が現れる。
「完璧」
俺は大きく頷いた。
「光よ。そちは僕となりてアタしにつくすのだ!」
ウィンクに人差し指をつきつける彼女。
ずきゅーん。
これからはじまる物語に胸もアソコもドキドキムネムネだっ!
この拙作の続きが読みたいと思ったみんなは、高評価して励ましてくれよな(嘘です、笑)。