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№61 崖の上で説得したい~ヒューマンドラマ~

 火サス的な。

 

 断崖絶壁の崖の上で、若き女性が佇んでいる。

 ファンファン。

 パトカーのサイレンの音がし、刑事たちが女性目掛け駆け寄る。

「来ないで!」

 強い拒絶の後、

「私、死にます」

 刑事たちを押しのけ、男は悠然と進む。

「あんたはっ!摂得太郎!」

 刑事の一人がその名を叫んだ。

「来ないで!死ぬわよ!」

 女性は後退りする。

 パラリ。

 小石が落ち、直下の海へと吸い込まれる。

「待て。あんたはまだ若い、きっとやりなおせる・・・やりなおせるはずだ」

 説得は気持ちを込めて言う。

「何も知らないくせに!」

「俺には分かるっ!」

「なっ!」

「あんたは、優しい人だ。あの時、犯した罪もどうしようもなかったことなんだろ」

「・・・・・・」

「なあ」

 説得は一歩近づく。

「いやっ!」

 女性はふるふると首を振る。

「OK分かった。じゃ、俺の話を聞いてくれ。あの日、おまえさんは上半身裸のぱんてぃ一丁で大好きなワンカップ大関を飲んでいた。そこへピンポーン悪魔のチャイム。モニターを見れば見知らぬ男。あんたは戦慄した」

「・・・・・・」

「ドンドンドン!激しく扉は叩かれる。あんた今、ぱんてぃ一枚で大関飲んでるよね。ねっ、俺、見てんだぞ。バレたくなきゃ開けてくれよ。悪いようにしないからさぁ!・・・お前さんは警察を呼ぼうとしたが、ヤツはスマホをモニターごしに見せた。そこに映っていたのは、おまえさんのち〇び」

「いやぁぁぁ!」

「あんたは覚悟を決めた。工具箱からハンマーを取り出し、扉を開けた瞬間、ヤツの脳天に・・・」

「どうしてそれを!」

「それは・・・俺だからさ!」

 説得の頭は包帯が巻かれじわり血が滲んでいた。

「あの人です!」

 女性は叫んだ。

「確保っ!」

 摂得は捕まり、女性も逮捕された。

「一緒に逮捕っ!なあ!これで俺たち一緒でへでへ」

「ふざけんなっ!」

 女性は摂得の股間に蹴りを入れた。

「オウ・モーレツ!」

 


 どこで着地点間違えたかなあ(笑)。

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