№57 旦那ちゃんと嫁ちゃんのカラオケすたいる~コメディ~
油断は禁物なのだ。
コロナも収まってきたある日(と思うしかない)、2人は久しぶりにカラオケ屋に足を踏み入れた。
受付で検温消毒を済ませ、部屋へと入る。
マイクの頭には、ビニール袋がかぶされ消毒済みの文字が印刷されている。
旦那ちゃんは、人差し指をたてマイクを持つと、
「ほら、アレのコンドー〇・・・」
「何歌おうかなあっと」
嫁ちゃんは、ばり無視した。
「くうん」
捨てられた子犬の目をする旦那ちゃん。
ピピピ。
嫁ちゃんは手早く打ち込み送信すると、画面には精密採点機能が映し出される。
「今日もやりますか」
「当然」
かくして、2人の歌バトルははじまった。
旦那ちゃんはナツメロからアニソン、なんちゃって最近の曲はしどろもどろに(笑)。
「なかなか80点いきませんね~」
と、嫁ちゃんはすまし顔。
「安定性がね~」
「だね」
かたや嫁ちゃん「髭ダン」やナツメロ中心に歌い、毎回90点以上の高得点をあげる。
「どう?」
「へいへい」
「いや~(点数)でちゃうんだよね~」
「俺はさぁ、点数にでないところ・・・そう、心に打った訴える部分が・・・」
「へいへい」
「魂の歌ってヤツかな」
「・・・あっそ」
「・・・ね」
「機械は正直だよ」
「・・・・・・」
「ね」
「うぇーん」
「よしよし」
カラオケでは、常に嫁ちゃんが圧勝なのであった。
・・・旦那ちゃんは、いったいいつ勝ってるのという疑問はナシよ。
歌は心よ(笑)。