№54 朝休日登校~こんな学園生活送ってみたかった~
憧れるわ~。
俺は電車に揺られ、学園都市へと向かう。
今日は日曜日、普段なら通勤通学で人込む列車の中もスカスカだ。
俺は長椅子に座り、愛用の弓が入った、レザーの弓袋を傍らに置き、ぼんやりと車窓を眺める。
ブレザーの胸ポケからスマホを取り出し、イヤホンをつけ髭ダンを聴く。
「宿命」はやっぱ何度聴いても⤴(アガる)マイフェバリットソングだ。
もうすぐ電車が駅へと着く。
ゆっくりと停車するのを待たずに、俺は立ちあがり拳を固める。
♪宿命ってやつを燃やして 暴れ出すだけなんだ♪
サビの部分を同時に口ずさむと、扉が開き、俺は一歩を踏み出す。
日曜の決め事、それは朝マック。
俺は通学路の途中にあるマックでの朝メシ、週イチだけの楽しみ。
ヘビロテのベーコンエッグマックサンドセットを頼み、いつもの窓際の席へ。
またあいつがいる。
素知らぬ顔をして、朝マックを食べてやがる。三つ編みのメガネっ子。
番号札を持って、後輩の向かいに座る。
「よう」
「おはようございます」
・・・顔が真っ赤だ。可愛いやつめ。
「今日も朝マックか?」
「はい」
「奇遇だな」
「そうですね」
「おまたせいたしました」
店員が俺の朝マックを持って来る。
アイスコーヒーをひと啜り、マックサンドを頬張る。
「今日も朝練頑張ろうな」
「はいっ!」
後輩の笑顔に、思わず、ドキリと、
「おおう」
キョどる俺。
日曜の朝はちょっとだけ楽しい。
明るい学園生活。