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№50 それでも俺が戦う理由~ヒューマンドラマ~
パチンカスちゃん。
俺は粘りに粘ったが届かなかった。
時間は22時、重い身体をゆっくりと動かし、パチンコ店を後にする。
挙動は間違いなく設定6のジャグラーだ。
ヒキが悪すぎる、この一週間、立ち回りは悪くない、ただ結果がついてこない。
パチンコ、パチスロは確率、回る台と設定のいい台を打つ、ただそれだけのことだ。
たかが一週間、されど一週間、そろそろ勝へと確率も収束していいだろう。
なあ。
俺は自分のヒキに問いかけながら、コンビニ弁当とパチ雑誌を買って家路につく。
毎日これの繰り返し。
負けている・・・俺はプロなのか?プロになれるのか?
パチンコで勝ち続けていた俺は、プロになるべく思い切って会社を辞め退路を断った・・・。途端にこれだ、パチ屋が牙をむいたとしか思えない。
「遠隔か」
ふっと自嘲混じりに呟く。
「それを言っちゃおしまいか」
俺は無造作にテーブルに、コンビニ袋を投げ置いた。
「明日こそは」
新ペンネーム記念作(笑)。