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№46 父と娘~ローファンタジー~
短編ありがち~。
バニエール国王女フレデリカは憤慨していた。
「この私では不足ですと」
睨みつける眼光は鋭く、男に有無を言わさない憤怒の形相をしている。
「そうではない」
男は憤りをあらわにする。
「何故、結婚してくれないの・・・こんなに愛してるのに!」
フレデリカは悲しみのあまり叫んだ。
「困ったものだ」
男は溜息をつく。
「あなたは、いっつも、そう、逃げてばかり」
「・・・・・・」
「何か言いなさいよ!」
「・・・・・・」
「私は・・・っ!」
ふわり。
フレデリカが次の言葉を発しようした瞬間、男は彼女の両脇を両手で軽々と抱え上げ、ふてくされる娘を見た。
「私の可愛いお姫様」
「なっ、お父様!」
「いつまでそう言ってくれるのかな?」
王は娘に微笑みかけた。
「!フレデリカは絶対、お父様と結婚します!」
「そうか、そうか」
王は5歳のフレデリカをやさしく抱きしめた。
~15年後。
美しい顔をヴェールに包む、娘の晴れ姿見た時、父王はあの頃を思いだし涙ぐんだ。
な、お話かな。