№4 サイコロキャラメル~パニック(SF)~
懐かしいな~。
部屋の片隅にぽつんとあった見覚えのないサイコロキャラメルがあった。
崇は一瞥すると、首を傾げ仕事へと部屋を出て行った。
夜、家に帰るとサイコロキャラメルは3個になっていた。
(・・・・・・)
崇は気味が悪くなり、そのキャラメルを持ち上げ、まじまじと見つめると、ゴミ箱に捨てた。
翌日、ゴミ箱の中はサイコロキャラメルだらけだった。
崇は今日のゴミ出し日が幸いとばかりにゴミ袋にゴミと一緒にキャラメルを投げ入れ、ゴミ捨て場へと持って行った。
彼はすっきりした気分で出社する。
会社に着くなり、彼の部署は騒然としていた。
崇のデスクの上に大量のサイコロキャラメルが山のようにあったのだ。
部長に言われ、急いでキャラメルを片そうとするも、次から次へと増殖しはじめるキャラメル、キャラメルそして、キャラメル。
崇たちはサイコロキャラメルの波に飲み込まれる。
やがて、そのキャラメル群はオフィスビルを突き破り、街を国を世界を浸食していった。
地球はサイコロキャラメルの海に覆われたのだ。
ぽそり最初のサイコロキャラメルが呟いた。
「アノトキタベテクレタナラ」
ふと思いついた。