№31 麻雀無頼漢天鵬勢岳~アクション~
ヒリつくぜっ。
とうとうオーラスだ。
俺はトップと2万点差のドンケツ・・・この劣勢を跳ねのけるのには役満であがる他はない。
ここで負ければ、俺は人生どん底、お先真っ暗だ。
掴め一本の天から降りる細い糸をっ!
感じる・・・感じるぞ。
ひた・・・ひた・・・ひた・・・。
相手聴牌の気配。
させるかっ!
「チーっ!」
その牌はヤツの好牌っ!
「カンっ!」
これで阻止っ!
むっ、むっ、むむむっ、お前もかっ!
「ポンっ!」
俺は唇を噛む。鉄っぽい血の味が口内を巡り、アドレナリンを引き出す。
まだだっ!
「チーっ!血だっ!」
唇から血を流し、文字通り魂のチーを見せる。
そしてっ!
「ぷぉん!」
通さねぇ何人たりも。
「はい多牌」
だにぃ。
ため息とともに無造作に崩される牌。
「お前、いつになったらルール覚えるんだよ」
舌打ち。
ぐにょ~と世界が回る。
圧倒的敗北・・・だが、それがいいっ!
「はいはい、福本先生崇拝はいいから、まず基本ね」
「・・・はい」
ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・。
「もう、いいから、それ」
だがっ!それがっ・・・。
「よくない、よくないよ、それ」
・・・・・・。
ハートはよっ!