表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/126

№18 しっぱいプロポーズの匂い~現実世界(恋愛)~

 あるよね~。


 大地は、この日にかけていた。

 渚の25回目の誕生日、「おめでとう」の言葉と一緒に、「俺と結婚してください」とプロポーズをする・・・のだ。

彼は鏡の前で、入念に数十回とシュミレーションを行っていた。

 しかし結婚という言葉を口にする度に、にへらと顔が笑ってしまう。

 まず断られることがないと、そんなことすら思っていない彼がいる。

 まさに自信満々マンだ。

 しかし彼の自信マンは数時間後、見事に打ち破られる。

渚が仕事から帰って来た。

 2年前から同棲しはじめた安アパートの部屋で2人だけの誕生日。

 大地は食い気味に、渚へお・も・て・な・し・をしまくる。

手作りのご馳走のあとのケーキ、ロウソクをたててハッピーバースデーの歌をうたい、いざっ!

「おめでとう・・・俺とけっこ・・・」

「だめっ!」

「へっ?」

「私、嬉しいことや大事なことは、しっかりと嚙みしめたいの。今は大地が誕生日のお祝いをしてくれたことに喜びたい・・・だからプロポーズはまた今度ねっ!」

「そんな~」

 緊張し、ええキメ顔までしていた大地は、へなへなとその場に座り込んだ。

「よしよし」

 渚に頭を撫で撫でされる大地。

 彼の鼻には甘いショートケーキの匂いがした。


「ん~」

「もう!」

「またかっ!」

「ね~」

 彼、彼女の両親たちが隣部屋で嘆息する。

 はっぴーばーすでー。


 って、ないよね~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ