№12 両者激突~アクション~
激突。
「・・・アーサー、これでお前との勝負何度目だ」
「ふっ、知るか。数え切れぬほど・・・だ」
「譲らぬか」
「譲るはずもなかろう・・・一歩も引くつもりはないわっ!」
「驚いたなアーサー・・・お前がここまでの執着を見せるとは」
「我等の戦いに言葉は不要」
「そうだ・・・な」
康治は、アーサーの視線の油断を察知し、右手を繰り出す。
パンッ。
乾いた音が響き、その手が弾かれる。
「笑止」
アーサーは払いのけたその手の隙間から、康治の死角をついて左手を周りこませ、勝負を決しようとする。
「なんの!」
康治は身体ごと覆い被さり、彼の手に覆い被さり動きを止めた。
テーブルが大きく揺らぎ、食器が落ちる。
顔をしかめる嫁たち。
意に返さないふたり。
「やるな」
「貴様もな」
皿にある獲物も見ずに、互いの視線が交差する。
「このキャビアは私の口に入る為にあるのだっ!尊い私のなっ!味も分からぬ、お前の胃袋にくれてやるなど、もっての他っ!」
アーサーは高らかに言う。
「食べてしまえば、皆同じ」
康治は涼しい顔で言った。
「康治っ!」
「やるかっ!」
2人の戦いは続く。
「あー、さよけ」
嫁たちの目が死んでいる。
フード取り合いふぁいと。