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102、こちら異世界舟屋「暁屋」本日も絶賛営業中・・・~異世界、ハイファンタジー(ファンタジー)~

 じぃじ異世界転移ばーじょん。


 第26話(笑)「孫娘花梨(かりん)怒る」


 じぃじと異世界で遭遇(再会)して、半年が過ぎようとしていた。

 行くあてのない私は、必然的にじぃじが経営する舟屋で働くこととなった。

 ちょっと待って、あたしまだ14よ!そうじぃじに抗議すると「働く者は食うべからず」の一言だった。


 なので、異世界ブラック舟屋で、私は今日も汗を流す。

 舟屋の仕事は忙しい。

 理由は簡単だ。

 従業員がいないのだ。

 私を含めて5人、内3人はじいじを含む後期高齢者のみなさんで無理がきかなくプライドばかり高いときている。

 しかも先月から、舟屋暁は川流しコースを延長している。

 30分のコースを60分にしやがった正気の沙汰ではない。

 今ここ異世界は夏真っ盛りなのに、ジジイたちは川流し最大2回までという暗黙のルールがあるため、あたしともう一人は倍働らなきゃいけないという訳だ。



 一番手は常にあたし、今日もそうだ。

 早朝の川流しが終わると、終点にはじぃじが、ペガサスの馬車で迎えに来て暁

へと戻る。

「はぁ」

「どうした花梨元気ないぞ・・・今日は聖日(休日)、客がわんさ来るぞ」

「あたし、ずっとこのまま、来る日も来る日も舟を漕いでるのかなぁ」

「それが舟屋の孫じゃ」

「くそジジィっ!」

「くわっはははっ!無駄口もここまでじゃ、ほれ、お客さんがお待ちねじゃ」

 暁の乗り場は、お客さんでごった返している。

「・・・・・・」

 あたしは口をもぐもぐ動かし、無言の悪態をつく。

 お客さんが待っている以上、私は川流しに集中をせざるを得ない。


 舟が辿り着くと、じぃじの馬車へ。

「花梨、次は暁の宴会場の清掃を頼む」

「は?いやだよ!あそこずっと放置状態で蜘蛛の巣生えてるじゃん」

「つべこべ言うな。お客さんが使いたいと言ってるだから、しょうがないじゃろ」

「だったら、じぃじがやってよ!」

「な、年寄をコキ使うつもりか」

「・・・・・・」

「こっちは(川流し)やっとくから、頼むぞい」

「・・・・・・へい」

 あたしは渋々と炎天下の中、玉のような汗をかきながら宴会場を掃除する。

「きったねー」


 あたしは清掃が終わると船着場へ戻った。

「おう、お嬢、次出番だ」

 エルフの爺さんゴンゾーが無慈悲な言葉を吐く。

「あたし、くたくた」

「他に人がいねぇんだ」

「ゴンゾーさんいるじゃん」

「ワシはもう2回行った」

「あたし3回目・・・」

「若い時は苦労するもんだ」

「・・・物は言いよう」

「はっ?何か言ったか」

「別に」

 私は頬をふくらまし、舟に乗り込んだ。


 船着場へと到着する。

 じぃじがいる。

「ご苦労さん」

「今日はあがり?」

「馬鹿言うな・・・ここに溜まった舟はどうする?」

「魔法使いのリーンさんに、転移魔法で・・・」

「ああ、リーンは夏バテで早あがりじゃ」

「はあ?だったら、この舟・・・」

「ワシとお前で暁屋まであげるんじゃ」

「ええっ!ひいふうみ・・・14隻もある」

「つべこべ言わずに行くぞい」

「ふぇーん」

 こうしてあたしの暁屋いつもの一日は終わる。


 26話って(笑)。

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